「ピッチクロック・牽制球・守備シフト」大改革で開幕のMLB、ルール変更点を改めておさらい

2023年3月31日(金)10時22分 ココカラネクスト

(C)Getty Images

 いよいよ開幕する2023年のメジャーリーグ。今季は昨春の新労使協定合意を経て、数々の新ルールが導入される。メジャーの野球が大きく様変わりする数々の変更点を、開幕に合わせておさらいしておきたい。

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 最大の変更は「ピッチクロック」の導入だろう。試合時間短縮を目的に、投球間の時間が制限される。投手は捕手からの返球を受けてから、走者なしでは15秒、走者ありでは20秒以内に投球動作に入らなければ、1ボールが宣告される。逆に打者はこのピッチクロックが残り8秒になる前に打席で構えなければ、1ストライクが宣告される。オープン戦ではピッチクロック違反によって三振を取られる打者や、四球を与えるシーンもみられた。追い込まれた状態でピッチクロック違反による三振を避けるため、打者は早いカウントから勝負する傾向が出るのでは、ともみられている。

 実際にオープン戦でも時短効果はみられた。昨春の平均試合時間が3時間1分だったのに対し、今春は2時間35分と26分もの短縮に成功。公式戦に入れば時短効果が薄まる可能性もあるが、今後の推移が注目される。

 同様に時短目的で投手の牽制球も制限される。1打席で、制限なく塁上の走者に投げられるのは2度まで。3度目の牽制球で走者をアウトにできればよいが、セーフだとボークが宣告されて走者は進塁する。

 打撃に大きな影響を及ぼしそうなのが、極端な守備シフトの禁止だ。大谷翔平ら左打者に対し、一、二塁間に野手を3人並べるシフトが流行だったが、これが禁止される。内野手を3人にして、右翼前方に1人回す形もみられたが、こちらも禁止。守備チームは内野ゾーンに野手を少なくとも4人以上置く必要があり、二塁ベースを境にして左右に2人ずつ分けなければならない。

 守備側の野手と走者の接触による怪我のリスクを下げるため、ベースも大きくされた。一辺が約7・6cm大きくなる。その分だけ塁間は狭まり、盗塁数が増える効果も期待されている。

 また、点差が開いた場面でまま見られていた野手の登板の条件も、今までより厳しくされた。これまでは延長戦か、6点以上点差が離れた場面に限られていた。それが今季は①延長戦、②8点差をつけられた場合、③10点以上リードした9回、の3つの条件のみに制限される。昨年は過去最多となる132度の野手の登板があった。以前の2019年にマークした90登板を大きく更新し、何らかの規制が必要と指摘されていた。

 かつてないほどの多くの変革がもたらされることになる。これらは全てメジャーリーグをよりエキサイティングなエンターテインメントとするための調整に他ならない。長すぎる試合時間は退屈だと野球界の長年の課題であるし、シフト禁止などの施策はより安打や盗塁を増やし、アグレッシブな試合内容につながる。

 そして見逃せないのは、メジャーリーグでのルール変更の多くが、1年遅れで日本プロ野球にも数多く導入されてきたという事実。メジャーの野球の中身が、どう変わるのか。そしてそれは日本野球にもマッチするのか。これまでとは違った視点で眺める必要がある。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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