NPBもそうなる!? ピッチクロックがさらに2秒も短縮へ MLBの判断に米識者たちも反発「より怪我を増やすだけ」

2023年11月17日(金)6時0分 ココカラネクスト

大谷ら日本人投手たちも馴染むのに時間を要したピッチクロック。そんなルールに新たな変更が行われるようだ。(C)Getty Images

 23年シーズンのメジャーリーグにおいて小さくないトピックとなったのは、「ピッチクロック」の導入だった。

 野球の在り方を変えるようなルール変更だった。「ピッチクロック」とは投手がボールを受けてから、ランナーがいない場合は15秒以内、ランナーがいる場合には20秒以内に投球動作に入らなければいけないというもの。打者においても制限時間の残り8秒までに投球に備えなければならない。

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 導入に踏み切ったMLBの目的は試合のスピードアップであり、これは概ね狙い通りとなった。米スポーツ専門局『ESPN』によれば、1試合あたりの平均試合時間は昨シーズンの3時間4分から2時間40分に短縮。当初は導入に反対していた選手会も、効果の高さからか、今はルールを受け入れている。

 そんな物議を醸しながらもようやく定着したピッチクロックが、来季からさらに短縮される可能性が浮上している。『ESPN』のジェフ・パッサン記者は、現行ルール20秒から2秒も時間が短くなると伝えている。

 ただ、選手会はさらなる短縮には反発しているという。パッサン記者は、「MLBはスピードアップした試合のテンポが怪我を直接的に引き起こしたわけではないと否定している」と前置きしたうえで、「選手からはピッチクロックに対する懸念の声も挙がっており、2023年は投手の怪我が相次いだことを指摘している」と強調した。

 SNSの普及もあり、試合時間が長い野球はファン離れが叫ばれて久しい。そうしたなかで、ピッチクロックは大胆に施行された。しかし、さらなる短縮は選手への負担を増やすだけという見方は識者からも相次いでいる。

 米メディア『The Athletic』のジョーダン・ムーア氏は自身のX(旧ツイッター)で「これは、今年よりも多くの腕の怪我を増やすだけだ。20秒でも十分に速かった。リーグは今、ムキになっているだけだ」とやはり投手たちの負担増加の懸念を指摘。さらにニューヨークのスポーツラジオ番組『Empire State Sports Show』のホストを務めるディラン・サンダス氏は、辛辣な言葉とともに持論を論じている。

「どうか時計を止めてくれ。お願いだ。本当にオーナーとMLBに求めるよ。マンフレッドというクズが来るまで球界は文字通り完璧だったんだ。マウンドへの訪問を制限することや、ピッチクロック、牽制球の制限とか、本当にやばい」

 ピッチクロック導入時以上に、周囲からの反対の声は強い。それでもなお、ロブ・マンフレッドコミッショナーの下、MLBはルール改正に踏み切るのか。ピッチクロックは将来的にNPBでの導入も囁かれているだけに、その行方が注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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