WBC米国代表エベル三塁コーチを直撃「ジャッジが選ばれた」と歓喜 前回大会は「日本の三塁手が...」
2025年4月15日(火)11時4分 スポーツニッポン
26年3月の第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)米国代表の三塁コーチ就任が決まったディノ・エベル氏(59=現ドジャース三塁コーチ)が本紙の取材に応じた。打倒日本へベストメンバー招集に自信をのぞかせた。早ければ準々決勝で対戦するドミニカ共和国も、ベストメンバーがそろう見通しであることが判明。連覇を狙う侍ジャパンにとって、過去最大の試練が訪れる。(取材・柳原 直之)
——WBC米国代表の三塁コーチ就任が発表され、14日にはヤンキースの主砲ジャッジがキャプテンに就任することが発表された。
「そうだよ、ジャッジが選ばれたね。しかも我々のキャプテンだ。ワクワクしています。本当に楽しみです。私がWBC米国代表の三塁コーチを任されるのは、今回が2回目で、前回は3年前にやりました。その時もワクワクしていました。アンドルー・フリードマン編成本部長が声をかけてくれて、“やってみないか?”って言ってくれたんです。僕は“イエス”と答えました。ドジャースが許可してくれて、今回またコーチをやれるのが本当に楽しみです」
——前回は日本が優勝した。
「あれは本当に興奮しましたよ。最後の大谷翔平とマイク・トラウトの対決は、まるで映画を見ているようでした。あの盛り上がり、観客も総立ちでね。たしか3対2だったかな。日本が1点差で勝ちました。マイク・トラウトが最後に打席に立って、野球として素晴らしい試合でした。世界中の人が観ていましたし、本当に野球にとって良いことだと思います」
——次こそは勝ちたい気持ちが強い。
「もちろんです。僕たちは金メダルを狙っています。どのチームも金メダルか銀メダルを目指してますけど、チームUSAは2026年に金メダルを奪いに行きますよ」
——米国代表の組織づくりについて既に話し合いがあったか。
「まだです。今のところ、コーチ陣が発表された段階です。選手選考のプロセスはまだ分からないですけど、これから選手たちに声がかかり始めるでしょうね。USAベースボールが選手に連絡して、“出場したいですか?”って聞いてくるはずです。マイク・トラウトはすでに“出る”って言ってましたから、彼がいろいろな選手に声をかけて“一緒に優勝しよう”となるんじゃないですかね。前回はブライス・ハーパーがケガをしてて、アーロン・ジャッジは契約年(再契約した直後)だったと思います。ジャッジ、ハーパー、そしてトラウト、あとムーキーも出て欲しい。三塁はノーラン・アレナド、一塁はポール・ゴールドシュミット、遊撃手にボビー・ウィットもいますしね。まだチームは決まってないですけど、ビッグネームが揃いそうですよ。彼らが“チームUSAとして出たい”と思ってくれるといいですね」
——大谷、山本、佐々木とWBCについて話したか。
「まだ話してないですね。正直に言うと、翔平には出ないでほしいです(笑)。日本は強いですよ、本当にドジャースの3人の日本選手は素晴らしい。あと日本の三塁手(ヤクルトの村上宗隆)が素晴らしかった。左打ちの打者。アメリカに来るんですか?。彼のバッティングが気に入りました。守備はあまり見られなかったですけど、僕たち相手にホームランを打ってましたよ。バッティング練習でも飛ばしてましたし。打撃がいい選手ですね」
——村上は既に今オフのメジャー挑戦を表明している。
「そうなんですね。やっぱり日本のチームは素晴らしいですよ。それに私が聞いたところによると、今度のドミニカ共和国はベストメンバー全員が出場するらしいです。みんな自分の国のために戦いたいと思ってるそうです。しかもアルバート・プホルスが監督をする。最高じゃないですか。本当に素晴らしい大会になると思います。野球にとっても、世界中にとっても、ベストな選手たちが集まるのはとても良いこと。僕はもう楽しみで仕方がないです」
——日本を倒すための策は?
「前回大会の決勝で翔平が最後にベンチを出たのを見たとき、“ああ、抑えで来るな”って思いましたよ。たしか3対1で負けてて、そこからシュワバーがダルビッシュからホームランを打って、3対2になったんです。9回にはランナーが出たけど、ダブルプレーで2アウトになって、最後にトラウトが三振。でも、1点差とか2点差の試合なら、常にチャンスがあるんです。だってどの打者もホームランを打てる力があるから、同点にもできるし、逆転もできる。あの試合は本当にエキサイティングでした。ワールドシリーズは2020年はコロナ禍で観客がいなかったけど、2024年は満員の観客でね。僕にとってWBCはワールドシリーズの雰囲気と同じなんですよ。あの盛り上がり、各国のファンが自分の国のチームを応援する感じ。あれは素晴らしかった。本当に野球にとって最高の大会でした」
——大会に向けた準備はどれくらい大変?
「大会前の準備は、普段の試合と同じようにやります。スカウティングレポート、ビデオ分析ももちろんやります。相手がどのチームでも、しっかり準備します。ビデオもありますし、スカウトたちからの情報も得ます。実際に相手を見たスカウトがいれば、連絡して“どんな選手だった?”って聞いたりもします。だから、通常の試合と同じようにしっかり準備して臨みますよ」