ピアストリ、今季3勝目でランキング首位浮上。角田裕毅はガスリーとの接触でリタイア【決勝レポート/F1第5戦】
2025年4月21日(月)3時27分 AUTOSPORT web

現地時間4月20日、2025年F1第5戦サウジアラビアGPの決勝レースが行われ、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がシーズン3勝目/自身通算5勝目を飾り、ドライバーズランキング首位に浮上を果たした。
2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。角田裕毅(レッドブル)は今季初のリタイアとなった。
第5戦の舞台は高速市街地コースのジェッダ・コーニッシュ・サーキット。スタートタイヤは20台中16台がミディアムタイヤ(イエロー/C4)を選択した。
一方、10番グリッドのランド・ノリス(マクラーレン)、14番グリッドのアイザック・ハジャー(レーシングブルズ)、16番グリッドのランス・ストロール(アストンマーティン)、18番グリッドのニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)という4台はハードタイヤ(ホワイト/C3)をチョイスした。
現地時間20時を過ぎ、50周の決勝レースは気温28度、路面温度38度、湿度73パーセントというコンディションでスタートを迎えた。抜群の蹴り出しを見せた2番グリッドスタートのピアストリとポールシッターのフェルスタッペンが2台並んでターン1に飛び込む。
ターン1でアウト側のフェルスタッペンはたまらずターン1〜2のシケインをショートカット。フェルスタッペン、ピアストリ、ジョージ・ラッセル(メルセデス)というオーダーでターン3を迎えたが、シケインをショートカットしながらもポジションをキープするフェルスタッペンに対し、5秒のタイムペナルティが下ることに。
その直後、ターン4で8番手角田とアウト側から仕掛けた9番手ピエール・ガスリー(アルピーヌ)が接触し、2台はウォールにクラッシュ。オープニングラップからセーフティカー(SC)導入に。ガスリーはそこでマシンを降り、角田は自走してピットに戻るも、2台はここでレースを終えることになった。
なお、このSC中にジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)、エステバン・オコン(ハース)、ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)の3台がミディアムからハードに履き替えている。
レースは4周目に再開。フェルスタッペンはクリーンエアのなかでレースをリードする。2番手ピアストリもファステストペースでフェルスタッペンの背中を追うが、6周目には1秒以上のギャップが開いてしまう。
一方、ハード勢最上位のノリスは8番手でリスタートを迎えると、7周目のターン1でカルロス・サインツ(ウイリアムズ)をオーバーテイクし、早々に7番手まで浮上する。
ノリスは続けて、12周目のターン27でルイス・ハミルトン(フェラーリ)をオーバーテイク。ただ、続く13周目のターン1でDRSを使用したハミルトンがポジションを取り戻す。
タイヤが高温となり、クリーンエアがほしいノリスは14周目のターン27でもハミルトンのインに飛び込む。ただ、これはハミルトンの術中であり、ハミルトンはふたたびDRSを使ってターン1でポジションを取り戻し、簡単にはポジションを譲らない。
とはいえ、ミディアムタイヤを履くハミルトンのペースがわずかに下がった15周目、ノリスは今度はターン27ではなく、ホームストレートでハミルトンをかわし、ようやく6番手の座を手にすると、そのまま19周目にアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)をパスし、ノリスは5番手に浮上する。
20周目に2番手ピアストリがハードタイヤに交換すると、翌21周目には3番手ラッセルもハードに履き替える。フェルスタッペンは22周目にピットイン。ここで5秒のタイムペナルティを消化しピアストリに先行を許すも、ラッセルの3秒前となる事実上の2番手でコースに復帰した。
ハードタイヤに履き替えたピアストリはファステストラップを更新する走りをみせ、フェルスタッペンとの4秒のギャップをキープし、レース後半となる26周目を迎えた。
一方、フェラーリ勢はミディアムタイヤのファーストスティントを引っ張る戦略を採った。なかでもルクレールはライバル勢がピットに入ってからは見た目上トップとなり、クリーンエアを得て29周ミディアムで引っ張り、残る20周弱をハードタイヤで戦うことになった。
ルクレールのピットストップにより、ハードタイヤスタート勢首位のノリスが30周目からはラップリーダーに。クリーンエアを得ると自己ベスト更新を続け、ペースがわずかに落ちた34周目にミディアムタイヤに交換。ルクレールの5秒後方となる6番手でコースに復帰した。
これにより、35周目時点でピアストリが首位、4.4秒差の2番手にフェルスタッペン、首位から11秒差の3番手にラッセルというオーダーとなったが、フレッシュタイヤの4番手ルクレールがファステストを更新しつつラッセルの背後に急接近。38周目のターン1でルクレールが3番手に浮上する。
ただ、残り11周で2番手フェルスタッペンまでは7.5秒差だったこともあり、ルクレールの猛追は続くもポジションアップはここまで。一方、フレッシュかつミディアムタイヤのノリスは41周目のホームストレートでラッセルを攻略し4番手に浮上する。
ノリスは41周目に1分31秒778というファステストを更新する走りでルクレールとの4秒近いギャップを縮めにかかり、この2台の攻防が終盤の注目となった。47周目に1.9秒まで近づくが、ルクレールも対抗し48周目のギャップは1.6秒差、49周目は1.4秒差となり、ノリスはDRS圏内に入れないままファイナルラップを迎えた。
そうして迎えた50周目終わり、ピアストリがトップチェッカーを受け、今季3勝目/自身通算5勝目を飾った。2位にフェルスタッペン、3位にルクレールが続いた。
以下、ルクレールから1.092秒差の4位ノリス、5位ラッセル、6位アントネッリ、7位ハミルトン、8位サインツ、9位アレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、10位アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)までが入賞となった。
次戦となる2025年F1第6戦マイアミGPは5月2日〜4日に、アメリカ・フロリダ州のマイアミ・インターナショナル・オートドロームで開催される。