阪神・佐藤輝 2発6打点で大暴れ「1本目は凄い手応え」 福留抜いた球団歴代背番「8」で最多通算91発

2025年4月21日(月)5時15分 スポーツニッポン

 ◇セ・リーグ 阪神8-1広島(2025年4月20日 甲子園)

 本拠地甲子園での練習前。阪神・佐藤輝は一塁側ベンチから姿を現すと、必ず中堅上部の旗に目をやり、なびく方向を確認してからグラウンドへ駆けていく。「絶対に見ますよ」。春先はそのほとんどが右翼から左翼方向へ吹く聖地特有の浜風。この日は最大限、味方につけた。

 「(打球が)伸びているんですかね。いや、分からない。1本目は凄い手応えがあった。良い当たりでした。うれしいです」

 初回2死二塁で迎えた1打席目。1ストライクから森の外角142キロの直球をコンパクトにはじき返した滞空時間の長い打球は、バックスクリーン左へ着弾した。開幕から続いていた本拠地でのノーアーチを6試合で止めた放物線。鬱憤(うっぷん)のたまっていた虎党を総立ちにさせたが、これは序章に過ぎなかった。

 「ギリギリだったので、良かった。しっかり練習から、そっち(中堅から左)にも打てるような取り組みをオフからやってきた」

 3回2死二塁の第2打席目で3ボールから打って出た強烈な打球は、右翼・末包のグラブをはじく適時二塁打。圧巻は第3打席だ。5回1死二、三塁の1ボールから右下手右腕・鈴木の低め直球にうまくコンタクトした打球は、風にも乗ってグングン伸び、再びバックスクリーン左へ届いた。試合を決める7号3ラン。1試合で中越え2本は自身初だ。今季初の猛打賞をマークし、プロ初先発の伊原を強力に援護した。

 「(伊原は)堂々としていて、やってくれそうだなというのは伝わってきた。その通りになって良かった」

 1本目のアーチで通算「90」本塁打に到達。創設「90」周年のメモリアルイヤーに、歴代の背番号8の選手では福留孝介の89本を抜いて単独最多となった。くしくもこの日、福留氏は甲子園でテレビ解説。虎党にもレジェンドにも、90、91号連発で真価を見せた。

 8回無死の第4打席でも右前打を放ち4打数4安打の大暴れ。7本塁打、17打点は両リーグ単独トップだ。「うまくはいかないとは思いますけど調子がいい時も悪い時もしっかり打てるように」。本拠地特有の風を利用できれば自身初の30本塁打はもちろん、40本も現実味を帯びてくる。(石崎 祥平)

スポーツニッポン

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