【筑後鷹】23年ドラフト1位の前田悠伍投手 目指すはカブス今永の直球「力感の割にめちゃくちゃくる」
2025年4月22日(火)6時0分 スポーツニッポン
ソフトバンクの23年のドラフト1位、前田悠伍投手(19)はウエスタン・リーグの開幕投手を務めるなど2軍で奮闘中だ。登板日以外は体力、筋力強化に励む日々を送っている。目指すは1月の自主トレに弟子入りしたカブス・今永昇太投手(31)のような質の高い球を投げること。1軍での活躍が最大の恩返しになる。
鷹の未来を背負っている前田悠が鍛錬の日々を送っている。2軍の試合がなかった先週17日の筑後ファーム施設。全体でのトレーニングが終了後、小笠原投手コーチからマンツーマンでノックを受けた。左右にゴロを振られながら、必死に走って食らいつくアメリカンノック形式。「一年間ずっとローテを守る人に比べれば、絶対体力は劣っている。走ることとか筋トレとかおろそかにせずやっています」と汗を拭った。
ドラフト1位で入団した昨季は、球団独自の「特別育成プログラム」のもと2軍では4勝を挙げた。1軍ではリーグ優勝決定後の10月に先発し、3回6失点で降板。味方が逆転したため黒星こそ付かなかったが、防御率18・00という数字が残った。「去年は投げさせてもらった。今年は自分でつかみにいかないといけないですし、競争に勝っていかないといけない」と自身の立ち位置を冷静にみている。
目指すは海の向こうで活躍するカブス・今永のような存在。大阪桐蔭の先輩であるDeNAの松尾を介し、今年1月の高知自主トレで弟子入りした。約2週間、朝の散歩から行動をともにした。打席に立って球筋を見る機会にも恵まれ、衝撃を受けた。
「あのストレートが投げたいですね。力感の割にめちゃくちゃくるんです。自分が想像するより(球が)もうそこにある…という感じですね」
日本で通算64勝。昨年カブスで15勝を挙げた球威、伸び、切れに圧倒された。キャッチボールをともにし、体の使い方や真っすぐの質など聞きたいことは全部ぶつけた。「あの真っすぐを近くで見られたことが一番の収穫」と目に焼きつけた。
頭の中を整理して臨むことも今年から心がけている。チームのトレーナーと会話をする中で体の動きについて勉強。「今は頭で理解できて体が動くようになった」と言う。直球の回転数はプロの平均とされる2300に到達。力をしっかりボールに乗せて投げられている感触があるという。
3月14日、ウエスタン・リーグの開幕の中日戦に先発した。6回1失点の好投も報われなかったが、起用は期待の表れでもある。「しっかりレベルアップして1軍で投げたいし、投げないと」。視線の先には本拠地のマウンドがある。 (杉浦 友樹)
◇前田 悠伍(まえだ・ゆうご)2005年(平17)8月4日生まれ、滋賀県出身の19歳。大阪桐蔭では甲子園に3度出場し、2年春には優勝に貢献。23年のドラフト1位でソフトバンクに入団。背番号41。ニックネームは「まーご」。1メートル79、80キロ。左投げ左打ち。