「公平さは失われた」ACLEで相次いだ東アジア勢の衝撃大敗 “サウジ勢贔屓”の異質な体制に韓国メディアは苦言「横浜は落ちた」
2025年4月28日(月)6時0分 ココカラネクスト

横浜を一蹴したアル・ナスル。エースのC・ロナウドも異彩を放ち、準決勝進出を決めた。(C)Getty Images
ワールドクラスのタレントたちを要した「スター軍団」との地力の差が浮き彫りになった。現地時間4月26日にサウジアラビア・ジェッタで開催されたアジア・チャンピオンズリーグエリート(ACLE)の準々決勝で、前回準優勝の横浜F・マリノスを迎え撃ったアル・ナスルが、4-1で大勝した。
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怒涛の波状攻撃を前に横浜守備陣は為す術がなかった。
27分にコロンビア代表FWジョン・デュランが先制点を奪うと、アル・ナスルは一気呵成に攻め立てる。31分にセネガル代表FWのサディオ・マネが追加点をもぎとると、38分にはポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドがダメ押し点をゲット。さらに49分には再びデュランがゴールして突き放した。
反撃も渡辺皓太(53分)に許した1点のみに抑えたアル・ナスル。センターラインを軸に攻守に国際的なタレントを要した中東の雄は、余裕を漂わせるゲーム運びで試合を終わらせた。
今季のJリーグで最下位に沈む苦境にある横浜のチーム状況を加味しても、あまりに明確に表れた両軍の差。日本の名門が喫した敗北には、隣国でも衝撃が広まっている。韓国のスポーツメディア『OSEN』は「横浜F・マリノスは東アジアのプライドを守るために奮闘したが、差を克服することはできなかった」と指摘。C・ロナウドやマネらが活躍し、一方的となった試合内容について、次のように描写している。
「横浜は序盤から果敢なプレッシャーで対抗し、時に荒いファウルでアル・ナスルのリズムを崩したが、世界最高レベルの個人技を誇るチームを長く抑えるのは難しかった。あっという間に2-0となり、横浜の選手たちは崩れ落ちた」
かくいう韓国勢もサウジアラビア勢に大敗を喫した。現地時間4月25日に行われた準々決勝で、横浜と同様に敵地でアル・ヒラルと対戦した光州FCは0-7と惨敗。世界に小さくない波紋を呼んだ。
相次ぐ東アジア勢の完敗とあって、韓国メディアでは大会を組織するアジアサッカー連盟(AFC)の運営方法に苦言が呈されている。『SPOTV NEWS』は準々決勝以降の“中立地”一斉開催に「アジアチャンピオンズリーグに基盤はない。彼らは明らかにサウジを支援している」と断言。「大金持ちなら大成功できる。サッカーの基礎は消え、今ではサウジアラビアのための大会になっている」と嘆いた。
さらに中東勢優位とも言える現行のコンペティションについて「チームの規模だけでなく、資金が多ければ競争で有利になる」と指摘する同メディアは、AFCのあり方を糾弾している。
「準々決勝に進出した全チームは、中立地開催という名目で、ある国で1試合を戦うことになる。そしてその国はサウジアラビアだ。これは理解できないやり方だ。ホーム&アウェー形式は消滅した。それは、サウジアラビアのクラブが絶対的に有利な立場を占めざるを得ない構造だ」
「この大会の名前は『アジア・チャンピオンズリーグエリート』だ。アジア各国のクラブが集まり、公平に競い合う大会だ。しかし、公平さは失われた。彼らは大会開催権を、資金力のあるサウジアラビアに売った。これは、公平性を保つために準決勝がホーム&アウェーで行われ、決勝が中立スタジアムで開催される欧州の大会とは異なる。UEFAの運営方法に倣って全面的に見直しを図ったが、結局は根拠のない大会になってしまった。何よりもカネがたくさんあれば勝てる」
中東勢にとって有利となるサウジアラビア開催、それもワンゲームマッチとあって、不平不満が噴出しているACLE。そうした体制を見ても、横浜の大敗は必然だったのかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]