誰もが待っていた巨人・中川皓太 菅野の「皓太ももっとできる」の言葉胸に誓う1年間フル回転

2025年5月4日(日)8時0分 スポーツニッポン

 みんなが待っていた復活だ。巨人・中川皓太投手(31)。度重なる故障を乗り越えてきた左腕は、今季ここまで11試合に救援登板し、防御率0・00と抜群の安定感を見せている。

 昨季は左膝痛の影響で15試合の登板にとどまり、0勝2敗7ホールド、防御率8・76。19年には67試合、21年には58試合に登板と、長年ブルペンを支えてきた男が4年ぶりのV奪回に沸くチームの輪にはいなかった。「悔しかった。自分も同じところにいたかったという気持ちで見ていました」と雪辱に燃えていた。

 今季は開幕こそ2軍で迎えたものの、4月6日に昇格。同19日のヤクルト戦では1回無失点で逆転勝利を呼び、23年6月8日以来、681日ぶりの勝利投手になった。試合後には「もうそんな経ちました?」と笑い「流れを変えるような投球をしたい。今日はちょっとできたかな」と充実した表情で言った。どんな展開でも淡々と投げ込む仕事人。昨年の契約更改で球団から「チームが苦しい時にいてくれるともっと助かったな」と言葉を掛けられた男が本来の実力を発揮した。

 左右関係なく安定した投球ができる背番号41がマウンドで躍動する姿を大先輩も願っていた。前年の4勝から、昨季15勝3敗でMVPに輝き、プロ野球の年間表彰式「NPB AWARDS 2024 supported by リポビタンD」に出席した菅野(現オリオールズ)は、その日の囲み取材で言った。「今年、僕はやれたので、皓太ももっとできると思っている」。東海大の後輩でもあり、ともに自主トレも行い、その実力を認めているからこそ、まだまだできると思っていた。

 中川は言う。「記事で見て素直にうれしかった。今年はいろいろな人の思いも背負って最後まで1年間1軍で戦い抜くことが最大の目標」。何度も故障で離脱を経験したからこそ「2軍では味わえないような歓声の中で投げたり、そこはやっぱりここに来ることでしか体感できないこと。そこは本当に毎日幸せに思いながら投げている」とマウンドを噛みしめている。

 菅野と最近も電話でやりとりしたという左腕。「こっちの試合も見てくれている。うれしいですね」。今年こそ歓喜の輪の中心に中川もいてくれるはずだ。(記者コラム・小野寺 大)

スポーツニッポン

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