【大学野球】東洋大からプロ目指す北海出身の宮下兄弟…北海道内から関東圏の大学リーグに進んだ球児たち「白球を追う」
2025年5月8日(木)8時20分 スポーツ報知
兄弟でプロを目指す東洋大の宮下朝陽(右)と弟の温人(カメラ・甲斐 毅彦)
北海道内の高校野球部を経て、夢を持って関東圏の大学リーグに進んだ球児たちは今—。ほっかいどう報知では彼らの奮闘を「白球を追う」と題して随時紹介する。第1回は北海高から東都1部リーグの東洋大に進んだ今秋のドラフト候補、宮下朝陽(あさひ)内野手(4年)。今春、北海高を卒業した弟・温人(はると)外野手(1年)も兄を追って入学し、兄弟でNPBを目指している。
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埼玉県川越市の東洋大グラウンド。4年前の北海高では4番・主将ながらあどけなさを残していた宮下朝陽は、風格が漂うほどに成長していた。高3の時から8キロ増えた体重は88キロ。激しい入れ替え戦を巡って「戦国東都」と呼ばれるリーグで、現在3位タイのチームはレギュラー争いも、し烈だ。今季は一塁を堅守し、ここまで3安打を放っている。「球の速い投手への対応もできてきました」と落ち着いた口調で話す。
1年からレギュラーをつかみ、2年時には侍ジャパン大学代表入り。宗山塁(24年楽天ドラフト1位)、上田希由翔(23年ロッテドラフト1位)らとともに同じ内野手として日米大学選手権の優勝に貢献した。初めて故障に悩まされたのは3年の夏だ。オーバーワークで、右肘の軟骨がはがれ、痛みに耐えられなくなり、昨年7月にクリーニング手術を受けた。最終学年での活躍を見据えて昨秋の試合は全休。「曲げたり、重いものを持つのも痛かったんで、ほとんど安静にしていた。ノックは受けられたのでずっとやっていました。だいぶ良くなりました」
小学校低学年の頃に札幌ドームでプロ野球を観て「気づいた時には」野球を始めていた。理想の選手像として追っていたのは、日本ハムなどで活躍した糸井嘉男外野手。「スタイルも良くて結構かっこよかったんで」。高校時代には進路はプロ一本と考えていたものの、「技術が足りない。(大学で)4年間しっかりやってから」と進学を決めた。
北海高の平川敦監督(54)から叩きこまれたカバーリングなどの守備の基本の価値に改めて感じたのは進学後。「大学で厳しく言われることはないこと。染みついて、今に結構生きています」。自信を持つ肩の強さも生かせるようになった。
秋のドラフトに向け、どれだけアピールできるか。「打てないと使われないので。今年は守備だけでなく、バッティングで結果を残したいですね」。快音を連発させ、故郷に朗報を届ける。
(甲斐 毅彦)
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兄を追ってプロ入りを目指す弟・温人外野手は、高校よりも自由度が高い大学で、自主練にも積極的に励んでいる。「北海道では冬場は野球できなくなるので、関東で野球がやりたかった」と1年中、白球を追える喜びをかみしめている。
4月に入学したばかりだが独立リーグなどとの練習試合で、すでに4打席2安打。「ミート力を上げるのがテーマ。遠くに飛ばすよりも、芯に当てる確率を上げて打率の高い選手になりたいと思って練習しています。打撃で結果を出してまずはなるべく早くベンチ入りしたい」と意気込んでいる。
兄いわく、弟の方が優等生タイプだという。「勉強も頑張るし、真面目。自分はごまかすほうなので」と冗談めかしながら弟を推していた。