予選で大クラッシュ→決勝10位の角田裕毅は「WINNER」か「LOSER」か 各国メディアの反応は様々「全損は大きな痛手」「価値ある結果を持ち帰った」
2025年5月20日(火)16時20分 ココカラネクスト

予選での大クラッシュには角田自身も悲痛な想いを語っていた(C)Getty Images
レッドブルの角田裕毅は現地時間5月18日に行われた、F1第7戦エミリアロマーニャGP決勝で10位入賞を果たした。公式予選ではコースアウトからのクラッシュというアクシデントに見舞われ、決勝ではピットレーンからのスタートという厳しい条件でのレースだったが、1ストップで走り抜くなど思い切った戦略が奏功し、2戦連続でのポイント獲得となった。
【動画】壁にぶつかってマシンは一回転 衝撃を生んだ角田裕毅のクラッシュシーン
序盤から地道に順位を上げていった角田は、30周目でこの日、唯一のタイヤ交換を行った後も手堅くポジションをキープ。そこからアストンマーティンのフェルナンド・アロンソ、ザウバーのニコ・ヒュルケンベルグをオーバーテイクし、ついにトップ10の位置に食い込んだ。終盤ではアロンソの追い上げを凌ぎ切り、10位のままフィニッシュ。前日にはトラブルを起こしたことで悔恨の思いを募らせていた角田だったが、決勝63ラップを戦い抜いた直後には、チームへの感謝の言葉を語っていた。
欧州ラウンドへと移り、最初のレースでは結果的に10位に入ることができた角田。だがレースウィーク全体でのパフォーマンスに対する、海外メディアからの評価は分かれるものとなったようだ。
各国のモータースポーツサイトではエミリアロマーニャGP終了後、それぞれのチーム、ドライバーのリザルトをピックアップし、「WINNER(勝者)」、「LOSERS(敗者)」に分け独自の見解を伝えるトピックを配信している。
米モータースポーツサイト『motorsport.com』 では、角田を「LOSERS」と評しており、厳しい指摘が並ぶ。同メディアは、「レッドブルのマシンで限界走行をする際に、RB21の挙動をまだ十分に理解できていないことが露呈した。彼自身が責任を認めた大クラッシュが、それを如実に物語っていた」と予選の内容を強調。
さらに、「ツノダにとって悔しいのは、金曜のフリー走行ではマシンに対してかなり良い感触を掴んでいたことだ。だが予選でエンジンモードが最大化され、1秒を削る戦いになると彼は依然として目指すレベルには遠い位置にいる」などと分析する。
また、大クラッシュから無事に決勝を走りきっての入賞は称えられるとしながらも、「せっかくフェルスタッペンと同じ最新仕様のフロアを手に入れたばかりというタイミングでマシンを全損してしまったのは、今後のスペアパーツやエンジンコンポーネントの管理において大きな痛手となる」と訴えている。
一方、英メディア『CRASH』では、今回のGPにおける「WINNER」の1人に角田を挙げる。「ツノダは、姉妹チームであるレーシング・ブルズの(アイザック・)ハジャーに先着を許したものの、予選での恐ろしいクラッシュを経てピットレーンスタートから見事な追い上げを見せ、10位で最後のポイントを手にした」として、決勝での走りを評価。
他にも同メディアは、「この日本人ドライバーの粘り強い走りは、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表やヘルムート・マルコからも称賛を受け、悪夢のような週末になりかけていた中で、最終的には価値ある結果をしっかりと持ち帰る形となった」と首脳陣の反応も伝えている。
今回も予選から波乱の展開となり、レース内容にも様々な反響が上がっている角田。トップチームの一員という立場だけに、今後も多くの機会で各国メディアからの批評の対象となることは間違いないだろう。重圧を背負い、大きな期待も寄せられる戦いはまだ始まったばかりだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]