WBC参戦に突き動かした“大谷vsトラウトの名勝負” 米代表入りの怪腕が告白「あれを見て、『絶対にやる』と心に決めた」
2025年5月22日(木)18時0分 ココカラネクスト

スキーンズ(右)は、大谷vsトラウトの対戦に対する想いを語った。(C)Getty Images
去る5月13日、パイレーツの怪腕ポール・スキーンズは、MLB公式ネット局『MLB Network』の番組に出演。そこで来春に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参戦することを明言し、球界を大いに沸かせた。
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MLBの公式メディアで自ら「出たいと思った」と語ったところに強い意志が現れる。今季も開幕から10先発で、3勝(5敗)、防御率2.44、WHIP0.94をマークするスキーンズの実力に疑いの余地などなく、2大会ぶりの覇権奪還を目論むアメリカ代表にとっては“大補強”になったと言えよう。
もっとも、メジャーリーガーたちの参戦には小さくない懸念もある。WBCはMLBとは管轄が異なるため、レギュラーシーズンの開幕を控えた出場選手たちは、それぞれ別の保険加入を余儀なくされる。そのため、これまでも怪我の懸念がある選手や長期契約を結んでいない選手たちが出場を断念してきた背景がある。
無論、スキーンズも補償問題に向き合う必要があるわけだが、それでも本人を「出たいんだ」と突き動かしたのは、日本が快哉を叫んだ前回大会の色褪せぬ光景だった。
参加公表後に『MLB Network』の番組「Off Base」に改めて出演したスキーンズは、「これ(WBCへの参加)は自分にとって大切なことだと思ったんだ。正直に言って、高校を卒業して大学に通う頃はメジャーリーガーと対戦することよりも戦闘機を飛ばしている未来を想像していたからね」と告白。自身が空軍士官学校に通っていた背景から代表チームでプレーする尊さを説いた。
一方でスキーンズは、番組のホストでもあったジェイク・ピービー氏から「日本やドミニカ共和国とかいろんな国が凄いチームを揃えてくるけど、どうだ?」と意気込みを問われた際に、こう切り返している。
「やっぱり『USA』のユニフォームを着るって他とは比べ物にならないぐらいに違う。そういう意味でもWBC以上の舞台はない。もしかしたら、唯一のチャンスになるかもしれないから、やるしかないんだ。
前回大会の決勝を見た時は、本当に凄かった。決勝で、いろんなものがかかった中で、あの二人(大谷翔平とマイク・トラウト)の対決はゾクゾクするほどの場面だった。いま、思い返しても、あれは野球界で最高の瞬間だった。あれを見て、自分にそのチャンスが来たら、『絶対にやるぞ』と心に決めたんだ」
当時にお茶の間をも大いに沸かせた大谷とトラウトの手に汗にぎる名勝負。いまだに人々の脳裏に焼き付くマッチアップは現球界屈指の怪物右腕を刺激し、大会を繁栄させる決断を下させていた。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]