阪神・森下 延長11回ダメ押し2点二塁打「1点と3点だと全然違う」 22日左膝に自打球も先発フル出場
2025年5月24日(土)5時15分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 阪神3—0中日(2025年5月23日 バンテリンD)
阪神の鉄人・森下のバットが死闘にケリをつけた。延長11回。1死二塁から近本の適時打で均衡を破り、なお続いた二、三塁の好機で、藤嶋から左翼線への2点二塁打を放った。3—0。裏に守護神・岩崎が控えていることを思えば、勝利は手中。投手交代のタイミングで三塁ベンチへ戻ると、お祭り騒ぎのナインにもみくちゃにされた。
「1点と3点だと全然違う。自分としてもチャンスで打てていなかったし、勝ったことが明日へつながる」
24時間前の悔恨が胸に宿る。前日22日の巨人戦(甲子園)。2—2の8回無死満塁でアクシデントは起きた。田中瑛が投じた4球目のシュートにスイングを仕掛けた際、強烈な自打球が左膝を直撃。その場に倒れ込み、脂汗が額を伝った。執念で打席を継続させるも、三ゴロ併殺。直後の守備から途中交代した試合後は、やや左足を引きずりながら「(状態は)わからない」と言葉少なだった。
だが、最初から「欠場」の選択肢などなかった。「昨日は自分のせいで負けた。(首脳陣に)“大丈夫です”とずっと言っていた」。リベンジを期した一戦は、試合前練習から軽快な動きを披露。外野守備やフリー打撃で藤川監督にアピールした。熱意に押されるように、虎将も定位置の「3番・右翼」に森下の名を記入。9回2死からの左二塁打と合わせてマルチ安打。主軸としての強い責任感が、背番号1を突き動かす。
「自分は開幕からクリーンアップとして、行っている。しっかり最後までやり切ることを心に置いている」
節目の夜だった。昨年7月19日広島戦(甲子園)から、この日で100試合連続出場。左膝にサポーターを巻きながら3時間58分を戦い抜いた。21日巨人戦から3日連続の“長時間ゲーム”をやっと白星で飾り、24歳は少しだけホッとした表情を浮かべた。
(八木 勇磨)