苦境の札幌に必要なのは?J1復帰を託す夏の補強候補7選【J2リーグ2025】

2025年5月27日(火)14時0分 FOOTBALL TRIBE

野田裕喜(左)山内日向汰(中)菊地泰智(右)写真:Getty Images

2025明治安田J2リーグは5月25日の現時点で第17節までを消化(※)。今シーズン9年ぶりにJ2での戦いを強いられている北海道コンサドーレ札幌は、全20チーム中12位とシーズン開始前の大方の予想を裏切る成績でシーズンを折り返そうとしている。


1年でのJ1復帰が最重要課題である岩政大樹新監督率いる札幌は、開幕節の大分トリニータ戦を0-2で敗れ、そこからまさかの4連敗。前監督のミハイロ・ペトロヴィッチ氏からバトンタッチされた岩政監督は、前監督のサッカーを継承し、さらに新しいスタイルを植え付けるべく「継承と前進」を掲げたが、思うような結果が出せていない。


シーズン開幕から4試合のフォーメーションは、2017シーズンから昨シーズンまで採用していた3-4-2-1で挑んでいたが、攻守において出足も悪く連敗となる格好に。今季初勝利した第5節のブラウブリッツ秋田戦から4-4-2のフォーメーションを採用しており、以降は開幕からの4試合と比べると守備の安定感は出てきている状況だ。しかし、第16節を終えて総失点「28」はJ2全体でワースト3位。総得点「18」も藤枝MYFCと並んで10位とJ1昇格を目指すチームには物足りない数字となっている。


札幌を運営する株式会社コンサドーレは、4月29日に行われた第12節V・ファーレン長崎戦後に大和ハウスプレミストドーム(札幌)でファンやサポーターを対象としたファンミーティングを行った。石水創代表取締役社長や竹林京介フットボール部長らが出席し、ファンやサポーターからの質問に回答。補強について問われた竹林部長は「決定力があり、攻撃の起点となるストライカーの獲得を考えている」と明言。守備の選手については「対陣能力が高く、ビルドアップ能力に長けた守備的な選手。センターバックの補強もしたい」と語っており、少なくともストライカーとセンターバック2人の補強を考えていると明かした。


しかし、DFパク・ミンギュやDF中村桐耶の負傷離脱により手薄になった左サイドバックも緊急補強の可能性があるほか、攻撃に厚みを持たせるべく左サイドハーフが出来る選手も欲しいところ。台所事情を考えると、ユーティリティ性に長けたプレーヤーの獲得もあり得る。そんな状況を踏まえ、今の札幌に加わると面白いと思われる選手を各ポジションごとにピックアップし紹介していく。


(※)5月24〜25日で行われた天皇杯1回戦の為、RB大宮アルディージャ、水戸ホーリーホック、FC今治、大分トリニータ、カターレ富山、愛媛FCは1試合未消化。




Jリーグ 写真:Getty Images

小林心(高知ユナイテッド)


1人目はJ3の高知ユナイテッドからFW小林心。今シーズンのJ3リーグにおいて、第13節終了時点での得点ランキングで単独トップとなる10ゴールを挙げており、現在大ブレイクしている選手の1人である。


スピードが武器で、相手DFラインをブレイクしてペナルティエリアに侵入する姿はFC東京のFW小柏剛を彷彿とさせる。昨シーズンは日本フットボールリーグ(JFL)で7ゴールだったが、今シーズンはすでに10ゴールと決定力にも磨きがかかっており、絶対的エースが不在の札幌にはうってつけの選手である。


札幌は昨年、Y.S.C.C.横浜からGK児玉潤を獲得しており、J3からのニューカマーをピックアップしていることも十分考えられる。




森海渡(柏レイソル所属時)写真:Getty Images

森海渡(横浜FC)


2人目は横浜FCのFW森海渡。爆発的なスピードやゴールへの嗅覚、Jリーグでもトップクラスのシュート技術が持ち味だ。2024シーズンJ2第3節モンテディオ山形戦で負った左前十字靭帯損傷の影響もあり、昨シーズンはわずか3試合の出場に終わっていた。今シーズンも右鎖骨骨幹部骨折の影響で開幕は少し出遅れ、ここまでの出場は公式戦5試合。5月25日に行われた柏レイソル戦でもメンバー外となっており、チーム内での序列も高くないだけにストライカー不足の札幌としては狙っていきたいところ。


前年に続きDF福森晃斗が横浜FCへレンタル移籍中であることを考えると、期限付きで獲得できる可能性は十分にありそうだ。




菊地泰智 写真:Getty Images

菊地泰智(名古屋グランパス)


3人目は名古屋グランパスのMF菊地泰智。2022シーズンからサガン鳥栖でキャリアをスタートさせ、2024シーズン途中から名古屋に加入。利き足の左足から繰り出されるパスやシュート精度を武器にチームの攻撃を活性化することが出来る選手だ。近年は苦手だった守備面でも成長を見せており、出場した試合では攻守両面においてチームに貢献している。さらに、MF登録ながら左サイドバックやセンターフォワードもこなせるユーティリティーも魅力的である。


今シーズンもJ1で9試合に出場しているが、総出場時間はわずか98分と限られている。名古屋は怪我人の復帰などもあり、ポジション争いの激化が予想される。レンタルで獲得できる可能性は十分にありそうだ。


山内日向汰 写真:Getty Images

山内日向汰(川崎フロンターレ)


4人目は川崎フロンターレのMF山内日向汰。ドリブル、シュート、パスとどれをとっても一級品で、得点に直結するプレーが持ち味のチャンスメーカーである。今シーズンはここまでJ1リーグ3試合の出場に留まっており、出場機会を考えると期限付き移籍での放出も十分に考えられる。


トップ下をはじめ、両サイドハーフを務めることが出来るユーティリティーさも兼ね備えており、札幌の台所事情を考えると願ってもない選手ではないだろうか。札幌に限らず、J1やJ2の他クラブも目を光らせていることは間違いないだろう。




野田裕喜 写真:Getty Images

野田裕喜(柏レイソル)


5人目は柏レイソルのDF野田裕喜。センターバックを主戦場としており、俊敏さと力強さを武器に相手プレーヤーを制圧する。攻撃面においても足元の技術が高く、ビルドアップの起点として攻守においてチームに貢献している。彼のような熱い闘志を剥き出しにして戦うファイターが、おとなしい選手の多い札幌に加わることでチームとしての士気は一気に上がるだろう。岩政監督が好みそうな選手の1人である。


今シーズンここまでリーグ戦での出場はなく、5月21日に開催されたYBCルヴァンカップ1stラウンド3回戦(レノファ山口戦)のみの出場に留まっている。獲得が実現すれば守備の要となるほか、チームの精神的支柱としての活躍も期待される。




佐々木翔悟(ジェフユナイテッド千葉所属時)写真:Getty Images

佐々木翔悟(ガンバ大阪)


6人目は今シーズン、ジェフユナイテッド千葉からガンバ大阪へ完全移籍を果たしたDF佐々木翔悟。鹿島アントラーズ出身ということもあり、こちらもファイタータイプのセンターバックである。相手との競り合いにはめっぽう強く、左足から繰り出される長短交えた正確なパスも魅力的。


しかし、今シーズンはリーグ戦で6試合出場に留まっており、DF福岡将太やDF中谷進之介らタレントぞろいのG大阪でポジションを奪えない日々が続いている。公式戦の出場が1か月以上ない為、試合勘の不足が唯一の不安要素ではあるが、札幌に来れば出場時間の増加と共に高いポテンシャルが遺憾なく発揮できるだろう。




アピアタウィア久(ベガルタ仙台所属時)写真:Getty Images

アピアタウィア久(京都サンガ)


7人目は京都サンガのDFアピアタウィア久。192cmの高さを活かした空中戦の強さや抜群の瞬発力、スピード、インターセプト能力に長けており、その実力はすでにJ1リーグで証明済み。しかし警告や退場が多く、試合を壊してしまうシーンも度々見受けられる。


現在、京都のDF陣の中で序列は低く、今シーズンはJ1でわずか5試合の出場に留まっており、直近1か月を振り返ると公式戦でベンチにも入っていない。この現状が続けば、今夏移籍の可能性は十分に考えられるだろう。

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