2試合連続の牽制死…最下位・楽天が直面する”積極走塁”の弊害

2023年6月2日(金)16時41分 ココカラネクスト

借金10で最下位に沈む楽天。石井監督は立て直せるか(C)CoCoKARAnext

 楽天・辰己涼介の2日連続けん制死がクローズアップされている。

 6月1日のDeNA戦、4点をリードされた3回1死一塁の場面。サウスポーの東克樹に逆を突かれ、戻りきれなかった。「僕的には根拠があった。根拠があったとしても、アウトになるべきではなかった」と辰己は話したが、石井一久監督は「無理していくところではない」。大差を追う展開で、走者をためてプレッシャーをかけたい場面。リスクを負ってまで、次の塁を狙う必要はない。辰己は途中でベンチに下げられ、試合は3-11で大敗した。点差や試合状況にアジャストできない、最下位チームの現状を象徴するプレーだった。

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 前日に続くミスだった。5月31日DeNA戦、両軍無得点の3回無死一、二塁の場面でも、二塁走者・辰己が牽制でアウトになっていた。三塁への盗塁を狙っていたというより、DeNAバッテリーの仕掛けたサインプレーにスキを突かれたボーンヘッドだった。楽天の盗塁数39(6月1日時点)は両リーグ最多。積極的なチャレンジに失敗はつきものだが、仕掛けていい場面と、そうでない場面の判断ができていない。

 伏線は他にもあった。5月27日の日本ハム戦、2点を追う3回2死一、二塁の場面。浅村栄斗の左前打で1点を返したかと思われたが、二塁走者の小深田大翔が本塁に生還する前に、一塁走者の辰己が三塁を狙ってタッチアウトになった。本塁手前で足を緩めた小深田が批判されたが、無理して進塁を狙う必要がない場面で、守備の動きが見えるにもかかわらず暴走した辰己がここでも絡んでいた。

 その9日前、球界で同じような出来事があった。本塁生還より先に、他の走者がアウトになり、得点が認められないケースが、5月18日の中日対阪神で発生。全力疾走を怠り、状況判断もまずかった中日の緩慢な走塁がネットなどで大きな話題として取り上げられ、批判を浴びたばかりだった。

 選手だけが責められる問題ではなく、指導を徹底できないコーチ、首脳陣にも問題はある。走塁は走るだけでなく、得点差、状況判断、打球判断、自分の脚力など意識レベルで準備することが多い。チームとして徹底できないから、同じようなミスが立て続けに起きてしまう。楽天の立て直しには、一刻も早い意識改革が求められる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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