マン島TTでマイケル・ダンロップが3勝。BMWが3クラス制覇しレコードは全クラス更新

2018年6月11日(月)16時0分 AUTOSPORT web

 6月2〜8日、イギリス領のマン島でオートバイレースのマン島TTレース決勝が行われ、スーパーバイククラスはマイケル・ダンロップ(Tyco BMW)が優勝を飾った。TT Zeroクラスはマイケル・ルター(TEAM MUGEN)が優勝し無限が5連覇を達成している。また、日本人ライダーとして唯一のエントラントであった山中正之(Challenge YAMANAKA with NAKA)は、スーパースポーツクラスのレース1を56位で完走、レース2をリタイアで終えている。


 マン島TTは、1907年から同島の一般公道を舞台に行われている競技。1周60.73kmの通称マウンテン・コースをタイムトライアル形式で競い合う。2018年大会は7クラス9レース、5月26日〜6月1日にフリー走行と予選が行われ、6月2〜8日に決勝が開催された。


 クラスは気筒数などにより細かく分かれているが、大きく分類すると、最高峰が1000ccのスーパーバイク、1000ccで改造範囲が制限されるスーパーストックの2クラス。中量級は600cc4気筒、675cc3気筒などのスーパースポーツ、2気筒650ccのライトウェイトの2クラスだ。

2018マン島TT サイドカー バーチャル兄弟


 他に600ccでサイドカー付き、ライダーとパッセンジャーのふたりが1台のマシンを走らせるサイドカー、二酸化炭素を一切排出しないゼロエミッションカテゴリーで、主に電動バイクが参戦するTT Zero、スーパーバイククラスの予選通過者のみ参加可能な、最終日の大トリ、シニアクラスの計7クラスが存在する。


 このうちサイドカークラスとスーパースポーツクラスは2レース制が実施され、合計9レースが行われる。そのため2週間と長期間で開催されるが毎日走行枠が設けられているわけではないため、1周60.73km、200以上のコーナーがあるコースを習熟するのは至難の業だ。


 また、ひとりのライダーが複数のカテゴリーからエントリーすることも可能で、排気量やメーカーの枠を越え走行する姿が見られるのも特徴のひとつとなっている。


 決勝は最初のライダーがスタートしてからインターバルを10秒はさみ、次のライダーがスタートするタイムトライアル形式。しかしわずか10秒のインターバルで次々に走り出すことから単独走行になる場面は少なく、走行中は随所でオーバーテイクも見られる。

2018マン島TT スーパーバイククラス トップ3


 2日に6周で行われたスーパーバイククラスの決勝はダンロップ(Tyco BMW)が1時間44分13秒398で優勝。レースの平均車速は130.324マイル(時速約209キロ)にもなり、2位のコーナー・カミンズ(padgettsmotorcycles.com)に1分以上の差をつけるタイムだった。ベストラップはディーン・ハリソン(Silicone Engineering)が記録した16分50秒384で、平均車速は134.432マイル(約216キロ)。ハリソンはダンロップに続き17分切りを達成したふたりめのライダーとなった。


 4日に4周で行われたスーパースポーツクラス決勝は、スーパーバイクでも優勝を飾ったダンロップ(MD Racing)がホンダに乗り換え1時間11分51秒072で優勝。トップから12分10秒遅れでスタートした山中は周回数が切り上げられ3ラップの走行だったが、1時間42秒775をマークし56位で完走している。6日に行われたレース2ではディーン・ハリソン(Silicone Engineering)が1時間11分28秒059で優勝。山中は最終の4周目に入るもコース序盤で転倒し、リタイアとなった。


 4日、4周で争われたスーパーストッククラスはピーター・ヒックマン(Smiths Racing BMW)が1時間8分49秒976で優勝。ベストラップも16分50秒601、平均車速134.403マイル(約216キロ)でヒックマンが獲得。スーパーバイクで勝利を飾ったダンロップ(MD Racing)は約5秒の差で2位に甘んじた。


 6日に4周で行われたライトウェイトクラスはダンロップ(MD Racing)が1時間15分5秒032で優勝。ベストラップも記録し18分26秒543、平均車速122.750マイル(約197キロ)だった。


 同じく6日には、TT Zeroクラス決勝も行われた。同クラスはバッテリー性能、容量の関係から周回数は1周のみ。このTT ZeroクラスはTEAM MUGENのルターが18分34秒956で優勝を果たした。このタイムはこれまでのコースレコードを20秒以上更新するもので、TEAM MUGENが5連覇を達成。平均車速は121.824マイル(約196キロ)で、目標としていた120マイル超えも成し遂げる結果となった。この速度は650ccのライトウェイトクラスとほぼ同じだ。

TT Zeroクラス マイケル・ルター(TEAM MUGEN)

 TT Zeroクラスに5年ぶりに参戦したチームミライはトラブルが続き予選に出走できず。しかし決勝参加の許可が下り決勝に臨んだが、途中リタイアに終わった。


 2日には3周で行われたサイドカーのレース1はベン・バーチャルとトム・バーチャルの兄弟コンビが57分33秒635で優勝。8日に行われたレース2でもバーチャル兄弟が57分25秒040と連覇を果たした。


 8日に2018年のマン島TT最後のレースとなるシニアクラスが6周で行われ、ピーター・ヒックマン(Smiths Racing BMW)が1時間43分8秒065で優勝。2位がディーン・ハリソン(Silicone Engineering)、3位がコナー・カミンズ(padgettsmotorcycles.com)だった。ベストラップは16分42秒778、平均車速135.452マイル(約218キロ)でヒックマンが歴代最速となるラップタイムを記録した。

レコードを更新したピーター・ヒックマン(Smiths Racing BMW)


 今年のマン島TTは1000ccのバイクで争われるスーパーバイク、スーパーストック、シニアの3クラス全てBMWのマシンが制する結果となり、TT Zeroクラスでは120マイル超えと電動バイクの進化を見ることができた。ダンロップが3勝、ヒックマンが2勝を達成し全クラスでラップレコードが更新された年となった。


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