井上尚弥は「最も避けたい男」 それでも米記者がフルトンの防衛を推す理由は何か?「イノウエにとって全く異質」

2023年7月16日(日)18時0分 ココカラネクスト

階級を上げた井上の挑戦を受け入れたフルトン。彼の勝利を確信する記者は少なくない。(C)Getty Images

“敵地”に乗り込み、「当代最強」の挑戦者と対峙する。WBC&WBO世界スーパーバンタム級王者のスティーブン・フルトン(米国)に課せられたミッションは決して楽ではない。

 7月25日にフルトンは東京・有明アリーナで井上尚弥(大橋)との同階級での2団体王座タイトルマッチに臨む。今年1月に階級を上げたばかりで、体格差も下回る相手とはいえ、言わずと知れた「モンスター」(井上の愛称)だ。ましてや28歳のチャンプにとって今回の防衛戦はキャリア初の国外戦だ。調整面を含めてリスクは伴う戦いになる。

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 そんな壮大な戦いに挑む無敗の天才には、母国メディアも熱視線を向けている。米ボクシング専門サイト『Boxing News Online』のエリオット・ワーセル記者は「今月25日に日本で行なわれるスーパーバンタム級の試合は、2023年にヘビー級で提供されたどの試合よりも素晴らしいものになる」と指摘。敵地での大一番に臨むフルトンに期待をかけた。

「イノウエはボクシング界では異端な存在だ。小柄でありながら壊滅的なパンチ力でKO勝利を挙げてきた。しかし、この試合が彼にとってこれまでとは全く異質なものになっているのは、フルトンが誰よりも立派なファイターであり、絶対的な世界チャンピオンであるという事実があるからだ。実際、25日の試合で後に呼ばれるのはフルトンであり、世界チャンピオンとして君臨し続けるのもイノウエではなくフルトンだ」

 無論、ワーセル記者は井上の実力を過小評価しているわけではない。事実、「恐ろしく高い評判があり、最も避けたい男と考えられている」と記している。それでもフルトンの勝利に期待をする理由は何か。同記者は次のように記している。

「フルトンは誰もが恐れるイノウエとの戦いを何のためらいもなく受け入れた。しかも舞台は日本だ。それはなぜか? 答えは実に単純だ。イノウエのような存在がいなければ、容易くベルトを保持し続けるフルトンはファンからも気にかけられにくいボクサーなのだ。彼の才能を考えれば、信じられないようなことだが、それは嘘ではない」

 文字通りの大一番になる。そんなフルトンの戦いについて「間違いなくイノウエ効果は得られる」と強調するワーセル記者は、「今のボクシング界で大きな注目を集めたければ、ノックアウトをされる可能性を持ったビッグパンチャーと勝負をしなければいけない。フルトンはそんな戦いに挑むのだ」と論じてもいる。

 敗れれば、タイトルを失うだけでなく、キャリア初黒星も付く。そんな小さくないリスクを背負って来日したフルトンは、井上にいかに挑むのか。軽量階級で異彩を放つ両雄の対決の時が刻一刻と迫っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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