ウシク、鮮烈KO勝利も…被弾した“ローブロー判定”が物議 ボディーを決めた敵陣営は怒り「あれは正当な打撃だ」

2023年8月27日(日)17時0分 ココカラネクスト

デュボアの打撃を受け、苦悶の表情を浮かべたウシク。この時に下された判定が物議を醸している。(C)Getty Images

 1年ぶりの一戦は後味の悪い結果となった。

 現地8月26日にポーランドのヴロツワフで行われた世界ヘビー級3団体統一王座タイトルマッチ12回戦で、WBAスーパー、IBF、WBOスーパー世界統一王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)が、WBA正規王者ダニエル・デュボア(英国)に9回1分48秒でKO勝ちを収めた。

【画像】これがローブロー? ウシクがデュボアのボディーショットを被弾した瞬間

 最終的に渾身の一撃で勝負を決めた。8回にジャブ、クロス、フックの連打でダウンを奪っていたウシクは、9回にジャブ気味に繰り出した右が相手の顔面にヒット。もろに当たったデュボアは膝から崩れ落ちた。

 ロシアのウクライナ侵攻によって戦火を逃れてきた母国民が多く会場に駆けつけたポーランドでの一戦でウシクは躍動した。試合後には「いい気分だ。チーム、家族、子どもたちに感謝している。そして国とウクライナ軍にも感謝している。本当にありがとう」と感激のコメントを残した。

 もっとも、このウクライナの英雄の勝利には、疑惑の目が向けられている。キッカケとなったのは、5回に下されたジャッジだった。

 攻勢を強めたデュボアの右のボディーがウシクの下腹部に直撃。36歳のウクライナ人王者は苦悶の表情を浮かべ、リングに崩れ落ちた。おそらく誰もが「ダウンだ」と確信した。がしかし、レフェリーは減点こそ取らなかったものの、ローブローによるデュボアの反則と判断。約5分間の休憩時間を設け、ウシクはその間にダメージを回復した。

 ハイライトを見る限りでは、ボディーは、腰高なウシクの下腹部を捉えている。それだけにローブロー判定にはデュボアも納得せず。試合後には本人も「あれはローブローじゃない。俺は騙され、勝利を奪われた」と憤怒。さらにプロモーターを務めているフランク・ウォーレン氏も、米メディア『Boxing Scene』で「あれは正当な打撃だ。審判は完全に間違っている。私はWBAにノーコンテストを宣言するように求める」と再戦を求める意向を明らかにした。

 あくまでも「タラレバ」ではあるが、もしもデュボアが先にダウンを奪っていれば、試合展開が変わっていてもおかしくはなかった。それだけにウシクの勝利に対する異論はしばらく飛び交いそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ココカラネクスト

「物議」をもっと詳しく

「物議」のニュース

「物議」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ