プロ野球ドラフト伝説 「外れ1位」から大化けした選手たち

2022年9月6日(火)11時0分 ココカラネクスト

 外れは「ハズレ」じゃない。

 プロ野球のドラフト会議では、複数球団の競合指名によって起こる「クジ引き」が、数々のドラマを生んできた。だが外れクジを引いたからといって、一喜一憂する必要はない。ドラフトは単なる出発点。重複指名されたドラ1が期待通り活躍するとは限らず、ドラフトの本当の成果は何年か経過しないとわからないのが本当のところだ。

 クジを外した球団は「外れ1位」を指名する。外れ1位の活躍例は多く、ドラ1をしのぐケースも。歴代の主な成功例と、指名競合選手を挙げてみる。

【関連記事】「日ハム時代とは違う」中田翔の“進化”した打撃を鶴岡慎也が指摘!4番として「状況に応じた打撃をしている」

「外れ1位」成功の代表例

◆2017年
 ヤクルト外れ1位・村上宗隆
(×清宮幸太郎→日本ハム)

◆2014年
 DeNA外れ1位・山﨑康晃
(×有原航平→日本ハム)

◆2006年
 巨人外れ1位・坂本勇人
(×堂上直倫→中日)

◆2005年
 オリックス外れ1位・岡田貴弘(T−岡田)
(×辻内崇伸→巨人)

◆1990年
 ヤクルト外れ1位・岡林洋一
(×小池英郎→ロッテが交渉権獲得も入団拒否)

◆1989年
 横浜大洋外れ1位・佐々木主浩
(×野茂英雄→近鉄)

◆1986年
 日本ハム外れ1位・西崎幸広
(×近藤真一→中日)

◆1983年
 西武外れ1位・渡辺久信
(×高野光→ヤクルト)

◆1982年
 巨人外れ1位・斎藤雅樹
(×荒木大輔→ヤクルト)

 「外れ1位」成功の代表例といえば、06年の巨人坂本勇人(光星学院)だろう。堂上(愛工大名電)を抽選で外した巨人は、同じ高校生内野手として指名した坂本が2年目から不動の遊撃レギュラーを獲得。球界トップを走るスター選手に成長した。82年の巨人斎藤雅樹(市川口)も大当たりだった。荒木(早実)を抽選で外して指名した無名の右腕が通算180勝を挙げ、球界を代表するサイドスローに大化けするとは誰も想像できなかっただろう。

「外れ外れ1位」成功の代表例

 クジ運悪く、外れ1位のクジ引きも外し、3人目の指名となる、いわゆる「外れ外れ1位」にも成功例がある。

◆2018年
 阪神外れ外れ1位・近本光司
(×藤原恭大→ロッテ、×辰巳涼介→楽天)

◆2010年
 ヤクルト外れ外れ1位・山田哲人
(×斎藤佑樹→日本ハム、×塩見貴洋→楽天)

◆1995年
 中日外れ外れ1位・荒木雅博
(×福留孝介→近鉄が交渉権獲得も入団拒否、×原俊介→巨人)

 「外れ外れ1位」成功の代表格は10年のヤクルト山田哲人(履正社)。トリプルスリー(打率3割、本塁打30発、30盗塁)をプロ野球史上初となる3度も達成した。18年の阪神近本光司(大阪ガス)は1年目シーズンからレギュラーを勝ち取り、長嶋茂雄の持つセ・リーグ新人安打記録を60年ぶりに塗り替え、盗塁王と新人特別賞を獲得した。それぞれ抽選を2度も外した前ヤクルト小川監督、阪神矢野監督はともにクジ運こそ弱かったが、結果的には「強運」の持ち主ということになる。

 ドラフトは「外れ」が「当たり」に変わるから、おもしろい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

ココカラネクスト

「ドラフト」をもっと詳しく

「ドラフト」のニュース

「ドラフト」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ