捨てることに抵抗感がある…どうすればいい?自律神経の名医がアドバイス。片づけには「力」が必要、まずは引き出しを1段だけ整理することから始める

2025年5月17日(土)12時30分 婦人公論.jp


(イラスト:ナカミサコ)

一見、関係なさそうに思える「片づけ」と「健康」。この2つを結ぶカギは、自律神経にありました。(構成:浦上泰栄)

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「部屋が整っていないとどんな不調が?」「《汚部屋》で暮らしていると、脳にも影響が?」の回答はこちら

【Q】捨てることに抵抗感があります


A 身の回りをシンプルにすると、新しい自分に出会えます

「もったいない」「モノを粗末にしたくない」という気持ちを持つのはよいことですが、不用品を溜めこみ、片づかない家で暮らして体調を崩すのは本末転倒。その結果、病院通いが必要となって治療にお金や時間をかけるのでは、それこそもったいない。

実は片づけはゴールではなくスタートだと、私は思っています。たとえば、クローゼットに洋服が詰まっていると、新品の洋服をしまうことができません。同様に、昔の記憶や思い出にとらわれて、脳内が古いモノでゴチャゴチャしていると、新しいことを始めようという気持ちになれないもの。

だからこそ、もう何年も出番がない道具や洋服は処分して、生活環境を整えることが大事なのです。家の中が整うと、頭もスッキリ整理されて新たな挑戦をする意欲が湧いてきます。

私も今年65歳。来年3月の退職に向けて、教授室の片づけを始めました。人生のひと区切りを迎え、次のステージではどんなことに挑戦しようか。古い書類や資料を整理しながら、ワクワクしています。

部屋が変われば人生も変わるもの。片づけは新しい世界、新しい自分に出会うためのスタートなのです。

【Q】年々、重い腰があがらなくなってきた


A 1日1ヵ所に絞って片づけを続け、「片づけ脳」を育てよう

片づけにはさまざまな「力」が必要とされます。モノの要・不要を見極める「判断力」、捨てる・捨てないを決める「決断力」、また、適切に処分したり、使いやすく収納したりするには「体力」や「思考力」が必要です。

ところが、片づけに必要な体力や判断力は加齢とともに確実に低下します。「いつかはやらなきゃ」と思うけれど、腰が重くて動き出せないという人は多いのではないでしょうか。

そんなときぜひ試してほしいのが、引き出しを1日に1段だけ片づけること。文房具やカトラリー類を入れる大きさの引き出しなら、30分もあれば作業が終わります。

そして、たとえ1ヵ所でも不要なモノを処分してその場所が整うと、気持ちがスッキリしてまた頑張ろうという意欲が湧いてくる。1日1段の片づけを習慣にすれば、1年もしないうちに家中の引き出しがきれいになります。

ポイントは、「今日は3段片づけよう」など欲を出さないこと。頑張りすぎると、途中から片づけがストレスになって交感神経が過剰に働き、自律神経が乱れてしまうからです。無理をしないことが「片づけ脳」を育み、継続させるコツと覚えましょう。

「家族に《ちらかし魔》が!」「実家の片づけが気がかり」へのアドバイスは…

婦人公論.jp

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