世界から一つずつ文字が消えていく。文字が消えれば、言葉が消える。言葉で表現できないものは、この世から消える<マンガ『残像に口紅を』第1ー1話>
2025年5月28日(水)12時30分 婦人公論.jp
世界から文字がひとつずつ消えていく…
世界から一つずつ文字が消えていく。文字が消えれば、言葉が消える。言葉で表現できないものは、この世から消える——。1995年の刊行以来、テレビやTikTokなどたびたび話題となり、50万部のベストセラーとなった筒井康隆『残像に口紅を』。この実験的名小説をコミカライズした『残像に口紅を (KADOKAWA MASTERPIECE COMICS) 』から、一部を抜粋して紹介します。
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世界から「あ」を引けば(1)
↓↓↓喫茶店で待つ相手は…
佐治が津田を呼び出した理由は——
↓↓↓僕もだよ…
僕の中には、確かにここまで生きてきた三十八年の人生が——
↓↓↓僕たちにはそれぞれ役割が存在する
『残像に口紅を (KADOKAWA MASTERPIECE COMICS)』(著:寺田浩晃/原著:筒井康隆/KADOKAWA)
なぜそうなのかはわからない
ただわかる
そうとしか言えない
君もだろ?
↓↓↓虚構はもうすでに始まっている
虚構はもうすでに始まっている
極めて自然に、不可逆にね…
(2)につづく
※本稿は『残像に口紅を (KADOKAWA MASTERPIECE COMICS)』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
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