トランプ政権、航空機や部品の追加関税導入も調査…三菱重工など日本メーカーに影響の可能性
2025年5月11日(日)0時31分 読売新聞
トランプ米大統領=ロイター
【ワシントン=田中宏幸】米国のトランプ政権は9日、海外から輸入する航空機やジェットエンジン、部品などを対象に追加関税の導入に向け、米通商拡大法232条に基づく調査を始めたと発表した。実際に関税が発動されれば、米国に航空機部品を供給している日本メーカーの業績にも影響を与える可能性がある。
米商務省は1日から調査を開始し、270日以内に結果を大統領に報告する。調査では▽商用の航空機やエンジン、部品の輸入先が特定の外国企業に集中していないか▽外国政府の補助金や(一部の国・企業による)過剰な生産が米国企業の競争力に影響を与えていないか——といった点を確認する。トランプ大統領が国家安全保障に悪影響を及ぼしていると判断すれば、追加関税や輸入制限などを検討する。追加関税の税率は明らかにしていない。
航空機の製造には、自動車の100倍にあたる300万点の部品が必要とされ、日本企業は炭素繊維を用いた複合材など主要部品の技術に強みを持つ。米航空機大手ボーイングには三菱重工業などが部品を供給し、日本企業による供給割合は、777型機や767型機が2割程度、787型機は約3割に上る。
米ブルームバーグ通信によると、米通商拡大法232条に基づく関税は、金属と自動車・部品を対象にすでに導入されている。銅や医薬品、半導体、大型・中型トラックに対しても別の調査が開始されているという。