スケールも製作費も破格！「星がウワサするから」ほか韓国発の宇宙エンタメ3選

イ・ミンホ＆コン・ヒョジン主演で話題を振りまくNetflixシリーズ「星がウワサするから」。本作では韓国ドラマ初の宇宙ステーションを舞台にしたオフィス・ロマンスコメディが、圧倒的スケールで描かれている。

そこで今回は、韓国の豪華スターたちがスケールも製作費も桁違いの宇宙でさまざまなミッションに挑む3作品をピックアップした。

■「星がウワサするから」のミッション：宇宙空間で不妊治療が進展!?
真面目で完璧主義のコマンダー、イブ・キム（コン・ヒョジン）が指揮する宇宙ステーションに、財閥MZグループの依頼で700億ウォンもの大金をかけてやってきた“宇宙旅行者”の産婦人科医コン・リョン（イ・ミンホ）。

最初は招かざる客と思われたリョンは、マウスやコバエの宇宙での生殖行動に一喜一憂するイブの真摯な姿に恋に落ち、イブは生命の誕生を見守ってきたリョンの医師としての信念に共鳴する。

製作準備期間は5年、製作費はおよそ500億ウォン（約55億円／1月25日現在の換算、以下同）。地球とはまるで勝手の違う、無重力下でのイ・ミンホのコミカルな演技は必見で、イブとリョンを取り巻く複雑な恋愛模様も見えてきたなか、それ以上に（？）気になるのはイブやカン・ガンス（オ・ジョンセ）らが宇宙で研究する、未来のための生殖補助医療や遺伝子医療。

そして権力と財力にものを言わせ、女性のリプロダクティブ・ライツ（性と生殖における権利）を軽んじる傲岸不遜な家父長制への風刺だ。


ちなみに、韓国人初の宇宙飛行士として国際宇宙ステーションに滞在したのはイ・ソヨン博士という女性である。

Netflixシリーズ「星がウワサするから」は毎週土・日曜、独占配信中（全16話）。


■『スペース・スウィーパーズ』のミッション：大量破壊兵器（!?）の少女を救え
時は2092年、砂漠化と大気汚染が進む地球から、大企業主導で建設された宇宙コロニーに移住できるのは限られた富裕層だけ。そんななか、宇宙ゴミを追いかけて駆け回る掃除屋の4人組が偶然見つけたのは「ドロシー」という名の子どもロボットだった…。



韓国の人気ウェブコミックを原作に、製作費240億ウォン（約26億円）をかけた韓国初の本格SFアドベンチャー・アクション大作。2021年2月5日よりNetflixで世界配信された。

宇宙ゴミを集める訳ありのならず者たち——金になることなら何でもするパイロットのテホ（ソン・ジュンギ）、謎多きチャン船長（キム・テリ）、麻薬ギャングだったタイガー・パク（チン・ソンギュ）、ある夢を持つドロイドのバブズ（声：ユ・ヘジン）がドロシーと地球を救う。

『スター・ウォーズ』『スター・トレック』さながらの宇宙コロニーや、宇宙船同士のバトル、モーションキャプチャで実現したキャラの立ったドロイドなど、コロナ禍でなければスクリーンで味わいたかったクオリティ。

Netflix映画『スペース・スウィーパーズ』は独占配信中。


■『THE MOON』のミッション：月面でひとりぼっちの宇宙飛行士を救出せよ
日本でも大ヒットした映画『神と共に』シリーズのキム・ヨンファ監督が、同シリーズに出演したド・ギョンス（「EXO」のD.O.）を見込んで主演に起用。たった1人で月面探査ミッションに挑む新人宇宙飛行士ファン・ソヌの奮闘を描くSFアドベンチャー。

製作費は280億ウォン（約30.6億円）。キム・ヨンファ監督自身が設立したVFX制作会社Dexter Studios（デクスター・スタジオ）は上記の『スペース・スウィーパーズ』なども手がける韓国映画界のVFXを牽引する存在で、ダイナミックな宇宙空間の映像は迫力満点。

NASAの協力のもと作られた月面探査船ウリ号や“月面”で一難去ってまた一難の究極のサバイバルは、演技に定評のあるド・ギョンスのひとり芝居とK-POPアイドルゆえの身体能力の高さも目の当たりにし、さながら『ゼロ・グラビティ』か『オデッセイ』、もしくは『ダイ・ハード』!?


地球のKASC（韓国宇宙センター）の管制ではキム・ジェグク（ソル・ギョング）、NASAからはユン・ムニョン（キム・ヒエ）の葛藤と緊迫も伝わり、贖罪から国や立場を超えた連帯へと行き着くエモーショナルな展開はまさしく韓国発エンタメだ。

『THE MOON』はU-NEXTほかにてレンタル配信中。


このほか、ペ・ドゥナやコン・ユらが共演、放置された月面基地を舞台にあるサンプルを回収する極秘ミッションに挑む、よりSFスリラー要素が強いNetflixシリーズ「静かなる海」も配信中。Netflix映画『ワンダーランド：あなたに逢いたくて』でも、パク・ボゴム演じる人物の“設定”が宇宙飛行士だった。

2024年5月にユン大統領政権のもとKASA（韓国宇宙航空庁）が発足、2032年に月面着陸、2045年には火星を目指すと発表していた韓国。今後、その宇宙開発計画がどうなるかは不透明ではあるものの、まずは物語で壮大な宇宙を堪能してみては。