「機動戦士ガンダム」もしもあの時…パイロットでもなかったアムロを“白い悪魔”にしてしまったジオン兵ジーン、痛恨の失敗シーン

2025年4月8日(火)7時0分 ABEMA TIMES

 あのとき、彼が余計なことをしなければ……。アニメ「機動戦士ガンダム」の幕開けは、たった1人のジオン兵の“やらかし”で大きく運命が動き始める。しかもその行動が、ただの一般人だった少年を“連邦の白い悪魔”と恐れられる伝説のパイロットへと変貌させてしまうなんて、誰が想像できただろうか。

【映像】ジーンが”連邦の白い悪魔”を爆誕させた瞬間(9分10秒ごろ〜)

 第1話では、主人公アムロ・レイ(CV:古谷徹)が暮らすサイド7に、シャア・アズナブル(CV:池田秀一)の命を受けたジオン公国軍の偵察部隊が潜入。任務はあくまで偵察だったが、地球連邦軍がモビルスーツを開発していたことを知ったジーン(CV:曽我部和行)は、デニム曹長の制止を振り切って独断で攻撃を開始する。

 「戦場の戦いで勝って出世したんだ!」と、若き日のシャアに倣うように戦果を挙げて出世したいという野心を隠さないジーン。その野心が皮肉にも“敵のエース”をこの世に誕生させてしまうのだった。

 アムロは軍属ですらない、ただの民間人。機械いじりに夢中で、ガールフレンドのフラウ・ボゥが避難を呼びかけに自宅を訪れるまで、騒ぎに気づかずにいた。ようやく届いた彼女の声にも「うるさいなぁ」と面倒くさそうに返すばかりで、戦う者としての気配は微塵もなかった。

 しかし、ジーンの暴走が退避カプセルに避難していたアムロの運命を変えてしまう。ザクによる基地への攻撃で発生した爆風、混乱のなかで偶然手に入れたガンダムの極秘資料。そしてアムロは軍人である父、そしてモビルスーツと出会ってしまう。

 逃げ惑う民間人にも容赦なく流れ弾が襲い掛かり、フラウ・ボゥは一瞬で家族を失い、泣き崩れた。そんな彼女の姿を見て、アムロの中で何かが変わる。資料を手にしたままガンダムのコクピットに乗り込み、誰に命じられたわけでも、訓練を受けたわけでもないまま、彼は立ち上がる。そしてアムロは資料片手にガンダムを操縦し、ジーンのザクをビームサーベルで真っ二つに切り裂いた。“連邦の白い悪魔”が誕生した瞬間である。

 もしジーンがあのとき命令を守っていれば、アムロはただの少年のまま人生を終えていたかもしれない。だが現実は、彼を戦場へと引きずり出し、やがて数々の伝説を生むエースへと育て上げた。そのきっかけを作ったのが、他ならぬジオン兵ジーンなのだから、なんとも皮肉な話だ。第1話は単なる物語の導入ではなく、“宇宙世紀”最大の分岐点だった。そんな視点で見てみれば、これまで観たことがなかった人も、かつて夢中になっていた人も第1話のドラマチックさに驚くはずだ。

 アニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のロボットアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったが、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれた。以降のガンダムシリーズや、スピンオフなどの派生作品も多数制作され、現在も高い人気を誇る。

(C)創通・サンライズ

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