映画人育成プログラム「タレンツ・トーキョー」修了生が躍進、カンヌで3作品が受賞

2025年5月27日(火)21時40分 オリコン

第78回カンヌ国際映画祭「批評家週間」長編コンペティション部門でグランプリを受賞したラッチャプーン・ブンブンチャチョーク監督(タイ)のデビュー作『A Useful Ghost』

 5月13日から24日にかけてフランスで開催された「第78回カンヌ国際映画祭」にて、東アジア・東南アジアの映画人育成プログラム「タレンツ・トーキョー」修了生による作品が多数上映され、3作品が受賞を果たした。

 2021年修了生ラッチャプーン・ブンブンチャチョーク監督(タイ)による『A Useful Ghost』は、新鋭監督の作品を紹介する批評家週間の長編コンペティション部門にて最優秀作品賞にあたるグランプリを受賞。掃除機や冷蔵庫に幽霊が取り憑くというユニークな設定のホラー・コメディで、21年のタレンツ・トーキョーにて優秀企画賞のスペシャル・メンションを受けた企画の映画化だ。

 さらに、2011年修了生シャン・ゾーロン(中国)がプロデューサーを務めた『Resurrection』(監督:ビー・ガン)が、コンペティション部門にて特別賞を受賞。ビー・ガン監督の長編3作目となる本作は、前作『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』に続き、シャンが再びプロデューサーとして参加している。

 また、2022年修了のアナント・スブラマニアム監督(マレーシア)による短編『Bleat!』がクィア・パルム賞を獲得。同作には2017年修了のブラッドリー・リュウもコー・プロデューサーとして参加しており、マレーシアの短編作品がカンヌで選出・受賞されるのはこれが初となった。

 タレンツ・トーキョーは、ベルリン国際映画祭の人材育成プログラム「ベルリナーレ・タレンツ」のアジア版として2010年にスタートし、東アジア・東南アジアを中心とした若手映画監督やプロデューサーの育成を目的に毎年東京で開催されている。これまでにカメラ・ドール(最優秀新人監督賞)受賞者のアンソニー・チェン(シンガポール)をはじめ、多くの国際的映画人を輩出してきた。

 今回のコンペティション部門で上映された『ルノワール』の早川千絵監督、「ある視点」部門で上映された『遠い山なみの光』の石川慶監督も、タレンツ・トーキョー修了生だ。

 なお、今年のタレンツ・トーキョーは11月24日から30日まで開催予定で、公式サイトにて5月31日まで参加者を募集中だ。

 「第78回カンヌ国際映画祭」で上映されたタレンツ・トーキョー修了生による作品は下記のとおり。

■コンペティション部門

『ルノワール』 監督:早川千絵(TT2014)/プロデューサー:水野詠子(TT2019)、アレンバーグ・アン(TT2014)、ユリア・エヴィナ・バラ(TT2020)

『Resurrection』 プロデューサー:シャン・ゾーロン(TT2011)

『AGAPITO』 監督:アルヴィン・ベラルミノ(TT2021)/プロデューサー:アレンバーグ・アン(TT2014)

■「ある視点」部門

『遠い山なみの光』 監督:石川慶(TT2011)

■批評家週間

『A Useful Ghost』 監督:ラッチャプーン・ブンブンチャチョーク(TT2021)

『Bleat!』 監督:アナント・スブラマニアム(TT2022)/コー・プロデューサー:ブラッドリー・リュウ(TT2017)

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