バトンとリンの2台同士討ちに「悪夢のよう」とチーム代表。キャデラック・ワークスでの初陣は苦い結果に

2025年3月1日(土)9時23分 AUTOSPORT web

 キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA のチーム代表であるディーター・ガスは、WEC世界耐久選手権第1戦の決勝で発生したジェンソン・バトンとアレックス・リンのクラッシュを、ファクトリーチームとしての初戦だったチームにとって「悪夢のような状況」と表現した。


■チームはバトン車の「エラーメッセージ」に対応中だった


 2月28日に行われたシーズン開幕戦の『カタール1812km』レースでは、セーフティカーが先導する中、2台のキャデラックVシリーズ.Rが1番手と2番手走行中に衝突。両車ともにダメージを受けてピットインを余儀なくされ、フェラーリ499Pに首位を譲った。




 リンがノルマン・ナト、ウィル・スティーブンスとシェアした12号車は最終的に8位、38号車は総合16位でフィニッシュしている。


 ガスは、バトンとリンがグリーンフラッグへ向け準備をしていたときに発生したこの事故を「繰り返さないよう」さらに分析する必要があると述べた。


「明らかに、悪夢のような状況だ」とガスは振り返った。


「もちろん、我々はすべてのデータももう少し詳しく調べる必要があると思う」


「表面的に言えば、彼らは明らかにブレーキとタイヤを温めていたし、ジェンソンが行った加速については、アレックスはただ驚いていて、その瞬間に少し近づきすぎたのかもしれないと思う」


「全体的に、非常に残念なことだだった。結局のところ、あれは起きてしまったことだ。時間を戻すことはできない。同じことが繰り返されないようにしたい」


 衝突後、リンはチーム無線でバトンが「間違いなくブレーキを踏んだ」と述べたが、ガスはそのメッセージの性質に関して、リンにとって非常にストレスのかかる状況だったと正当化した。


「それは普通のことだ」とガスは語った。


「しかし、彼はどういうわけか、そのようなことが起こるとは予想していなかったと言っただけだ」


「残念ながら、ジェンソンのクルマの画面にエラーメッセージが表示されていたため、難しい状況だった。そのため、我々はその状況にも対処しようとしていた」


「すべてが同時に起こっていたことは明白だ」

ピットで走行に向けた準備を整えるアレックス・リン(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA)


■カタールから持ち帰るべき成果


 バトンとコ・ドライバーのセバスチャン・ブルデー、アール・バンバーもその後、スロットルのトラブルに遭遇し、ガレージでさらに時間を費やした結果、38号車はハイパーカーのトップから11周遅れとなった。


「その時点で、38号車はレースが終わっていた」とガス。


「それほど悪くはなかった。明らかに、もう一度調査して、二度とこのようなことが起こらないようにする必要がある」


「だがその後、38号車は最後まで再び問題なく走行した。そのため、データを収集し、いくつかのことをテストし、チームとドライバーに少し走行距離を与えるために、この機会を利用した」


「ジェンソンはひとつのプログラムしかやっていないので、もっと走行距離を稼げると喜ぶだろう」


「アールはクルマのことを隅々まで知っているし、セブもそうだ。だから、我々はあるべき場所に到達するための努力を続けるだけだ」

キャデラック・ハーツ・チーム・JOTAのジェンソン・バトン


 ガスはさらに、JOTAはキャデラックとの最初のレースから「良い点を持ち帰る」必要があると述べ、チームとメーカー間の新しい提携関係の構築を例に挙げた。


「ここでの(公式テストからの)2週間を振り返って、良い点を持ち帰らなければならないと思う」とガスは語った。


「良い点は、チームが協力して一緒に作業するための非常に良い方法を考えていることだ」


「我々はショートランでもロングランでも、マシンのペースを見せた。これは誰にとっても非常に重要だったと思う」


「もちろん、最終的には違うリザルトを得たかったが、それが現実だ。何が悪かったのかを調査し、同じことを繰り返さないようにしたい」

12号車キャデラックVシリーズ.R(キャデラック・ハーツ・チーム・JOTA) 2025年WEC第1戦カタール


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