「変化球が全部打たれていた」西勇の巨人戦“炎上”に球界OBが苦言 配球面にも注文「ダブルプレーをとりたい場面なのに」
2025年3月11日(火)17時0分 ココカラネクスト

西は巨人打線に11安打をくらった(C)産経新聞社
3月9日に甲子園球場で今季最初の“伝統の一戦”、阪神対巨人のゲームが行われた。オープン戦ながらも大観衆で埋まったスタンドの様子からは改めて、両チームの人気や各選手の注目度の高さが表れていた。
【動画】それぞれの役割 2025年3月9日 【阪神 vs 巨人】 佐藤義則の眼
だが試合内容は、巨人が3回までに8点を挙げるという一方的な展開に。阪神は先発の西勇輝が2回2/3で11本の安打を許し8失点(自責点7)と打ち込まれている。この序盤の大量失点が響き、ゲームは巨人が8-2で勝利。阪神は今季のオープン戦最後の本拠地でのゲーム、白星で飾ることはできなかった。
西勇は当然、レギュラーシーズンでも先発ローテーションのひとりとして数えられる存在であり、昨年の6勝を上回る勝ち星も期待されている。オープン戦2度目の登板となったこの日の内容は、多くの課題がみえた投球となった。
またこの日の巨人戦では、3番手で才木浩人もマウンドに登り、こちらは4イニングを投げ被安打1、無失点と盤石のピッチングを披露。西勇、才木と今季も先発投手として期待が懸かる両投手はまさに、明暗が分かれる結果となった。そしてこの2人のパフォーマンスには、球団OBによる冷静な分析も行われている。
現役時、阪急とオリックスで通算165勝を記録し、引退後は阪神など5球団で投手コーチを務めた佐藤義則氏がYouTubeチャンネル『佐藤義則チャンネル』を3月10日に更新。巨人とのゲームでの、西勇、才木、それぞれの投球についての印象を語っている。
初回から5本のヒットと犠飛などで失点を重ねた西勇について佐藤氏は、「変化球が全部打たれていた。スライダーはほとんど曲がっていないように見えた」と評しており、さらに制球についても、「コントロールで抑えるピッチャーなのに、あれだけコースが真ん中に寄っていては、巨人打線につかまってしまう」と振り返る。
「3回までに6、7点取られて良いところ無し」と続ける佐藤氏は、バッテリーの配球面にも苦言を呈している。1回表1死1・3塁、巨人の4番ヘルナンデスの打席で、阪神スタメンマスクの坂本誠志郎は、6球目に高めの真っすぐを要求。ヘルナンデスはこのボールをとらえセンターへの大飛球となり、犠牲フライで巨人が先制点を挙げた。このシーンについて、「ダブルプレーをとりたい場面なのに、(捕手は)高めを要求していた」と指摘。さらに、「西はゴロを打たせる投手でもあるので、ダブルプレーをとる配球をしなければならない」と強調する。
また、3番手で登板の才木について佐藤氏は、「厳しく言えば、コースがほとんど高めばかりだった」と述べながらも、「あの高めのボールはなかなか打ち返せない。それが彼の良いところでもある」と評価。他にも、「フライアウトをとれるという投手はなかなかいない。才木の場合はそれが出来る」などと、球威に関してのポジティブな見解を並べていた。
阪神は今季も、先発、リリーフと、投手陣のクオリティがチームの生命線となることは間違いない。今月末の開幕に向け、先発枠争い、1軍生き残りなど、若手、ベテランによる競争はまだまだ続いていく。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]