【中日】岡林勇希の1軍復帰は時期尚早だった? 鳴りをひそめる積極性と「上げざるを得なかった」チーム事情とは

2024年4月23日(火)16時10分 ココカラネクスト

開幕から上位争いを演じる中日にあって、復帰した岡林にかかる期待は大きい(C)産経新聞社

 中日は先の阪神3連戦で3連敗を喫し、首位陥落。わずか2週間足らずでその座を明け渡した。初戦で7失点、2戦目は15失点と、投壊を理由に敗れた印象が強い。ただ、打線も土曜に記録した2得点のみ。相手の投手陣に抑え込まれていた。

 打線が振るわなかった一因として、岡林勇希の不振を挙げざるを得ない。

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 右肩炎症が癒え今カードから1軍登録。即スタメン出場したものの、3連戦で10打数1安打。復帰初戦から定位置の「1番」を務めたが、本来の実力を発揮することはできなかった。

 初戦は7回で途中交代、2戦目で今季初安打&初のフル出場。一応、段階を踏んでいるようには見える。ただ、日曜の3戦目は3打数無安打。結果以上に”ノー感じ”の打席が続いたのが気がかりだ。

■”ノー感じ”の3打席

 その3戦目の打席を振り返る。

 断続的に降る雨の影響で約50分遅れての試合開始。先頭の岡林がバッターボックスに入る。阪神の先発・才木浩人はストライクが入らず、いきなり3ボール。岡林は超がつくほどの積極性が持ち味の打者だ。追い込まれるまでに必ず振ってくるはず。

 と思ったら、あっさり2球ストライクゾーンの直球を見送ってフルカウント。そして、6球目の真ん中低めに振り遅れての三振。投げさせた球数以上に、岡林の淡白さが目についた。

 2打席目は3回1死二塁の好機で回ってきた。ここでも高めに浮いた変化球を2球続いて見逃して追い込まれると、1−2からの5球目、またも高めに浮いたカーブに強引に手を出しショートゴロ。安打はおろか、走者を進めることもできなかった。後も続かずこの回は無得点。終わってみればここでの凡退が尾を引いた。

 3打席目は6回1死走者なし、カウント2−2からの5球目を打ってのピッチャーゴロ。この打席も2ストライクまでスイングすることなく、最後は低めのフォークに当てただけの内容だった。チームはこの裏に佐藤輝明の3ランを浴びて、7回表終了後に降雨コールドゲームで敗北。敵地・甲子園で3タテを喰らってしまった。

■首脳陣はその日のベストな選択を

 一方で今回の岡林の昇格は緊急性の高いものだったこともうかがえる。2軍戦で外野守備に就き始めたのが16日(火)のくふうハヤテ戦。そこからわずか3試合で守ったのみ、打撃の状態が少しずつ上がってきた中での1軍合流だった。正直、時期尚早だったと言われても仕方がない。

 直近の中日は高橋周平が右ヒラメ筋損傷、中島宏之が右第5中手骨骨膜損傷で登録抹消。それぞれ1か月単位の離脱が予想されている。これらのチーム事情を鑑みるに、野手陣の層が薄くなる中で岡林を「上げないといけなかった」のだろう。そして、タイトルホルダーかつチームの顔であるゆえに、岡林を上げたからにはスタメンで使っていきたかったのだろう。

 開幕から背番号1の不在をカバーしてきた、新リードオフマンの三好大倫はスタメンを外れ、阪神3連戦は代打で1打席立ったのみ。課題の打撃で打率.267と健闘していただけに、弾き出されたのが少し残念である。今後は三好、上林誠知、大島洋平を含めてベストな選択を首脳陣には求めたい。もちろん、岡林が試合に出る中で本来の姿を見せてくれるのも大歓迎だ。

[文:尾張初]

ココカラネクスト

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