セ界の奪三振王・井上温大が14K自己分析「直球が右打者のインコースにいい角度で投げられている。そこがバロメーター」

2025年4月23日(水)5時0分 スポーツ報知

8回1失点の好投で2勝目を挙げた井上(カメラ・今成 良輔)

◆JERA セ・リーグ 巨人8—1中日(22日・東京ドーム)

 巨人は先発・井上温大投手(23)が中日を相手に8回3安打1失点で今季2勝目。最後の5者連続を含む毎回、自己最多14奪三振は球団左腕では6人目(7度目)の快投だった。打線は岡本和真内野手(28)が初回に2点打を放つと、3回には左翼席へリーグトップタイの7号2ラン。4打点の荒稼ぎで21戦目で早くも打点を20とし、リーグ2冠に浮上した。チームは首位・広島とのゲーム差を1に縮めた。

 井上が力いっぱい腕を振り抜いた。バットが空を切り5者連続K締め。東京Dの観客からの「オ〜!」という歓声に包まれた。8—1の8回。先頭の村松を3球で、続く石伊も4球で空振り三振。最後は代打・辻本をカットボールで空振りに仕留め14Kだ。笑みを見せながらベンチへ駆けた左腕。阿部監督からは、優しく肩をたたかれ、ホッと息を吐いた。

 地元・前橋で行われた昨年7月3日の中日戦以来となる自己最長タイの8回、107球を投げて3安打無四死球1失点で今季2勝目。球団の日本人左腕の14K以上は2012年5月30日楽天戦(東京D)でノーヒットノーランを達成した杉内俊哉(現投手チーフコーチ)以来だ。31奪三振でリーグトップに浮上。お立ち台で大歓声を浴びた左腕は「気持ちいいです!」。一緒に上がった岡本から「もっと三振取ってくれたらうれしいなと思います」と声をかけられると、屈託のない笑みを浮かべた。

 圧巻の投球だった。最速151キロの直球は球威があり、「直球が右打者のインコースと左打者のアウトコースにシュートせずに結構いい角度で投げられている。そこが自分の中でもいいバロメーター」と手応え。変化球も低めに集まり、これまでの最多9奪三振を大きく上回った。先発全員から、毎回で奪い「三振は自分の中で取りたいものなので、結果的にこうやって多く取れてよかった」と白い歯をこぼした。一方で中田にソロを許した5回については「今回は点差があったのでよかったけど、僅差でああやって1本打たれるのは絶対に防がないと」と、反省も忘れなかった。

 「絶対に負けない」という負けん気の強さが好投につながっている。ほんわかした雰囲気でチームの中では弟的存在としてかわいがられている背番号97。しかし、「昔から僕は負けず嫌い。ゲームで負けても、自分が勝つまで何回もやってました(笑)。友達とけんかをしたこともありますよ」と語る。「でも試合はもう1回することはできないので…」。野球は、同じ相手と再戦することはあっても、負ければ黒星がつく。だからこそ、負けて終わると「落ち込みますね」。気持ち良く1週間を過ごすためにも、努力を惜しまない。

 時に、厳しい言葉をかけられてきた阿部監督からの「完璧だったんじゃないですかね。ベストピッチ」という大絶賛の言葉に「うれしいですね」と、声を弾ませた。左のエースへ、また一歩近づいた。(水上 智恵)

スポーツ報知

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