スキーンズ ド軍との対戦で見せた工夫 1.9%→14.8%に激増した球種「今日は使うべきタイミング」
2025年4月26日(土)16時24分 スポーツニッポン
◇ナ・リーグ ドジャース0—3パイレーツ(2025年4月25日 ロサンゼルス)
パイレーツのポール・スキーンズ投手(22)が25日(日本時間26日)、敵地でのドジャース戦に先発登板。メジャー自己最多108球を投げ、6回1/3を5安打無失点に抑え、今季3勝目(2敗)を挙げた。大谷翔平投手(30)との注目の怪物対決は3打数無安打と完勝し、山本由伸投手(26)とのサイ・ヤング賞候補対決も制した。
大谷との注目の第1打席はフルカウントから中飛。第2打席は1—0で迎えた3回1死二塁の場面。ここはカウント2—2から外角低めのボールゾーンに沈むチェンジアップを打たせて投ゴロに仕留めた。
4回はフリーマンに二塁打を許し、味方の失策も絡んで無死三塁のピンチ。それでもT・ヘルナンデス、エドマン、スミスを打ち取り、ドジャース打線に得点を与えなかった。大谷の第3打席は3—0の5回2死二塁の場面。フルカウントから膝元に沈むカーブを振らせ、空振り三振に打ち取った。
スキーンズは試合後、大谷との対戦でカウント3—1と不利な状況から空振り三振を奪った5回2死二塁の第3打席について「世界最高の打者の一人に対して3-1になるのは、理想とは言えない。でも『さあ、自分の球がどれだけ通用するか試してみよう』という気持ちだった。結果的にアウトを取れた。あの打席は制球がバラバラだったけど、なんとか集中して投げ切った」と振り返った。
スキーンズの快投で特筆すべきは球種配分の変更だ。前回登板の19日ガーディアンズ戦で103球中わずか2球(1.9%)だったカーブがこの日は、108球中16球(14.8%)に激増。1試合にカーブを10球以上投げたのは今季初だった。「凄く良かったよ。打者の目線をずらすことができたし、空振りも取れた。こういう相手には、いろんな工夫が必要だからね。うまくいったと思う。普段は全体の6%くらいしか使わない球種だけど、今日は使うべきタイミングだった。フレディ(三塁走者)もホームに還さずに抑えられたし、うまくいったと思う」と自画自賛した。
この日は「序盤はストレートのコマンド(制球)がかなり悪かった。正直言って、試合を通じてあまり良くなかったと思う。でも必要な場面ではなんとか修正できたし、どのボールで弱い打球を打たせられるか分かっていた。ブルペンでの感触は良かったけど、あれは時に当てにならないからね。今日はすべて完璧って感じではなかったけど、必要な時に必要な球を投げられた。最終的には僕の球種だけを見れば、特別凄いってわけじゃない。例えばクリス・セールも、去年はほぼ2球種だけで戦っていた。でも大事なのは“使い方”なんだよね。今日はそれがうまくいった。でも、まだ改善の余地はある」と振り返った。
大谷とスキーンズの怪物対決は昨季2度実現。昨年6月5日の初対戦では、1打席目に3球連続100マイル超の速球で空振り三振を奪われたが、2打席目に100.1マイル(約161.1キロ)の速球をはじき返してバックスクリーンへ放り込んだ。第3打席も右前打を放ち、初対戦は3打数2安打で大谷に軍配が上がった。しかし、2度目の対戦となった同年8月10日は、3打数無安打2三振とスキーンズに軍配が上がり、名勝負を繰り広げた。
ドジャースとの3度目の対戦を終え、相手の狙いが分かっていたのも大きかったかと問われると「それが野球の楽しいところだよね。こちらも向こうのアプローチを知っているし、彼らも僕の攻め方を知っている。大谷もフレディも、今日だけじゃなくて、これまでに僕の全球種を見てきた。だからこそ、いかに工夫して抑えるかが面白い」と話した。