中4日で異例の自己最多129球投げ切りマウンドで絶叫 DeNA・バウアー611日ぶり勝利
2025年4月28日(月)5時30分 スポーツ報知
8回2死三塁、羽月を空振りの三振に仕留め、雄たけびを上げるバウアー(カメラ・竹松 明季)
◆JERA セ・リーグ DeNA2—1広島(27日・横浜)
DeNAのトレバー・バウアー投手(34)が日本球界で611日ぶりの勝利を挙げた。初回に広島に1点を奪われるも8回2安打1失点で今季最多10奪三振。希望し続けてきた今季初の中4日で自己最多129球の熱投を披露した。2年ぶりに古巣に復帰した20年ナ・リーグ、サイ・ヤング賞右腕が今季4登板目で本領を発揮した。
マウンドで絶叫した。1点リードの8回2死三塁。自身NPB最多の129球目。バウアーは羽月を130キロのナックルカーブで空振り三振に抑えると感情が爆発した。勝利を大きくたぐり寄せる1球に「打たれてしまったら点が必ず入る場面だった。絶対三振を取ってやるという気持ちで投げました」と、気合の1球を振り返った。
立ち上がりこそ苦戦したが、全力で抑えまくった。初回1死一、三塁、末包に四球を献上したが、ストライクで三振と判断した捕手・松尾が二塁へ送球。その間に三塁走者の羽月が本盗で生還と、思わぬ形で先制点を許した。しかし、その後は松尾と抜群のコンビを披露した。最速154キロの直球を軸にスライダー、カーブを織り交ぜ広島打線に的を絞らせず、初回1死の小園の右前安打以降は、8回1死、中村奨の三塁打まで無安打(2四球)に抑えた。前回登板の22日阪神戦(横浜)から、今季初の中4日で初勝利。「自分にとっては短い休養だとは思っていない」と、メジャーで10年以上慣れ親しんだ希望の間隔に生き生きしていた。
「投げる科学者」とも言われるが、その姿勢はキャッチボールから表れている。ジャンピングスローやゴロ捕球の姿勢…いろんな体勢からボールを投げるのがルーチンだ。小杉投手コーチは「動きの中で強いボールを投げれば、普通に投げる時はもっと楽だろうという考え。意識しているみたいです」と、その意図を説明。中4日で異例の129球を投げきれた背景には、練習からさまざまな負荷をかける動作を繰り返し、自らの体を知り尽くすことも要因になっている。
チームは広島相手に今季初の同一カード3連戦3連勝、5位から4位タイに浮上した。「ようやく楽しいインタビューができました!」と声を弾ませた助っ人。次回登板は5月2日からの巨人3連戦(横浜)が濃厚だ。目標とするサイ・ヤング賞と沢村賞ダブル受賞に向け、背番号96がスタートを切った。(太田 和樹)