昨夏甲子園初優勝校の取材で気づいた 2年目記者の大切にしたい“軸”
2025年5月2日(金)16時0分 スポーツ報知
京都国際・藤本陽毅主将
◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
記者として2年目に突入した。1年目に名刺を渡してあいさつした人は1000人近く。本当に多くの方と出会い、話をさせてもらう機会に恵まれている。これからもいろんな人や瞬間、言葉に触れていく上で考え方や自らの姿勢は変わっていくのだろう。自分の成長のためにもアンテナは常に高く、柔軟性ある感性を持っていたい。
そんな中で“軸”を定めようと思った出来事がある。昨夏、京都国際が甲子園で春夏通じて初の優勝。私もかつて京都の高校球児だったこともあり、京都大会を担当した。「4番・遊撃」で全試合スタメンだった藤本陽毅主将(現中大)の母・香織さんには、大会期間中に何度も取材した。深紅の大優勝旗を手にして高校野球生活を終えた陽毅主将に宛てた直筆の手紙も受け取り、優勝翌日の紙面に掲載した。
関東第一との決勝戦後、お礼とお祝いを伝えに行くと「いつも陽毅を見守ってくれて、ありがとうございました」と返ってきた。どの高校よりも長く取材させてもらったからこそ、いただいた感謝の言葉が素直にうれしかった。と同時に、記者とは、メディアとは、の前にまず人として「敬意」を持って「誠意」を尽くす。まずそれがないと「この人に取材してもらいたい」、「この人に取材してもらえて良かった」と思ってもらえるレベルになれることはないだろうな、と身をもって感じた瞬間だった。
1月からサッカー担当となった。学生時代は野球一筋だった私にとって、新しい世界で刺激的だ。そんな日々を送る上でもう一度、立ち返るべき軸から丁寧に一日ずつ積み重ねていこうと思う。(サッカー担当・森口 登生)
◆森口 登生(もりぐち・とうい)2024年入社。体育のサッカーで得点を重ね、あだ名はポーランド代表FWから「南中のレヴァ(ンドフスキ)」。