横浜がオレを強くする...健大高崎の158キロ右腕・石垣が「新スタイル」で関東切符ゲット 6球団集結
2025年5月3日(土)13時2分 スポーツニッポン
◇春季高校野球群馬県大会準決勝 健大高崎 10—2 前橋育英(2025年5月3日 高崎城南)
今春の選抜で4強入りした健大高崎が10—2で前橋育英に7回コールド勝ちし、決勝に進出した。これで茨城で行われる関東大会の切符を手中に収めた。
先発した今秋ドラフト1位候補の最速158キロ右腕・石垣元気(3年)は7回3安打2失点(自責1)。この試合で最速151キロの直球にスライダー、フォークなど多彩な変化球を織り交ぜ、7三振を奪った。
「選抜が終わってから調子が悪くて、今日もあまり良くなかったんですけれど自分なりに要所、要所をしっかりと抑えられた。まだまだですけど70点ぐらいかなと思います。今日はストレートが一番良かったので、ストレート中心に攻めていこうっていう話はしていました」
健大高崎は昨秋の新チーム始動以来、公式戦の敗戦は横浜への2敗(関東大会決勝、選抜準決勝)のみ。石垣は今春の選抜準決勝の横浜戦に救援するも、4回2/3を6安打3失点で敗れた。自慢の直球が横浜打線に捉えられた試合を何度も見直し、「左打者の内角に直球を投げきること」を課題に挙げた。
選抜後初の公式戦となったこの日は新たなスタイルを披露した。6回1死からはカーブ、スライダー、フォーク、スライダー、スライダーと初球から5球も変化球を続け、最後はフォークで空振り三振に斬った。直球頼りで痛打された横浜戦とは明らかに異なる投球パターンだった。ネット裏では6球団のスカウトが視察し、ヤクルト・橿渕聡スカウトグループデスクは改めて高評価を口にした。
「やっぱり球は速いし、球種も豊富。どうしても高校生投手(の完成度)としては見ることができない。その上でまだ眠っている潜在能力もある。チェンジアップやフォークをカウント球に使ってみたり、後半からカットボールを使用したり、チームを勝利に導く中でもレベルアップするために狙いのある投球ができる。再現性の部分はこれからですが、すばらしい投手です」
選抜では有言実行で大会史上最速の155キロをマークした豪腕は横浜戦から学び、進化のスピードを加速させる。「何の大会でも絶対勝ちたいと思っているのでまずは明日。勝って群馬1位で関東大会に行けるように頑張りたい」と表情を引き締めた。(柳内 遼平)