広島・床田 今季2度目完封で3勝目! 7連敗中のチーム救って新井監督も感謝「本当に床田サマサマです」
2025年5月4日(日)5時45分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 広島2—0中日(2025年5月3日 マツダ)
広島・床田寛樹投手(30)が3日の中日戦(マツダ)に先発し、相手打線を散発3安打に封じて今季2度目の完封を飾り、3勝目を挙げた。奪三振0での完封は、球団では1982年山根和夫以来43年ぶり5人目で、左腕では初。この日はセットアッパーのハーンが体調不良で欠場を余儀なくされたが、左のエースが前回に続く2試合連続完投で役割を全うした。チームは今季最短2時間の一戦を制し、連敗を7で止めた。
球場にいた誰もが、床田の快投に酔いしれたことだろう。散発3安打に封じ、4月12日巨人戦以来、今季2度目の完封勝利。チームをしばっていた負の連鎖を断ち切った。
「全体的に良かった。理想通りというか、リズム良く投げられた。今日はすごく良かったと思う」
打たせて取る投球で相手打線に凡打の山を築かせた。直球とツーシームを主体にスライダー、カットボール、カーブ、パームボールと多彩な球種を織り交ぜ、5回までわずか被安打1。2—0の7回こそ先頭・上林にセーフティーバントを決められ、この日初めて回の先頭打者を塁に出したが、ボスラーを右飛、カリステを遊ゴロ併殺に斬った。二塁すら踏ませず、最後まで隙を与えなかった。
奪三振0での完封は球団でも43年ぶり5人目という珍しい記録。「アマチュアのときは完封は大体、十何個は(三振を)取っていた。途中から、取っていないなとは思っていましたけど、変に三振を取りにいく方が崩れると思っていた。最後はちょっと欲が出ましたけど、最後までいこうと思ってやっていた」
今季6試合目で早くも3度目の完投。直近は5試合連続ハイクオリティースタート(7回以上、自責2以下)と、抜群の安定感を誇る。その小気味良い投球で、プロ野球11年ぶりという2時間ちょうどの“時短試合”を演出した床田は登板に向かうまでの時間も、今季は短縮していた。
「登板の時間に合わせて来ていい、となったので、そこは凄くありがたい。いつもよりは寝られている」
今季はチーム方針として、無駄な時間の排除を掲げ、効率のいい“職場環境”の構築を目指している。昨年までは「試合までに1時間ぐらい暇な時間があった」と言うが、球場入りの時間が選手個々に委ねられ「ロッカーで過ごす無駄な時間がなくなった」。この取り組みが、左腕のパフォーマンスにも、好影響をもたらしている。
この日はハーンが急性胃腸炎のためベンチ外。7連敗中、そして9連戦中のチームを、床田が救った。新井監督も「チームも連敗中だったし、9連戦のちょうど間で完封してくれた。今日は本当に床田サマサマです」と最敬礼で左のエースを称えた。 (長谷川 凡記)
○…床田(広)が3安打完封で今季3勝目。完封は4月12日の巨人戦以来、通算6度目で球数107は自己最少。奪三振0で完封は、1982年6月16日の中日戦で山根和夫が達成して以来、球団43年ぶり5度目で、左腕は初。2リーグ制以降、NPBでは82度目で、同81度のノーヒットノーランと同等に達成が難しい。
○…広島の三振は8回2死からの小園のみ。両軍ともに無三振なら、63年10月18日の広島—阪神以来、セ・リーグ62年ぶりの珍記録となるところだった。
○…試合時間は2時間ちょうど。9イニング試合で2時間以内は、14年4月29日の阪神—広島(甲子園、2時間)以来、プロ野球11年ぶり。