アルピーヌがドライバーの交代を決断か。次戦よりドゥーハンに代わってリザーブのコラピントを起用するとの報道

2025年5月6日(火)17時30分 AUTOSPORT web


 ジャック・ドゥーハンのF1グリッドでの時間は、本当の始まりの前に終わってしまうかもしれない。アルピーヌは、オーストラリア人のルーキードライバーであるドゥーハンに対し、イモラで行われるF1第7戦エミリア・ロマーニャGPではフランコ・コラピントが彼の代役を務めると通告したと報じられている。


 複数の報道によると、この決定はマイアミGPの後の日曜夜にドゥーハンに伝えられたという。同レースでドゥーハンは、ターン1でリアム・ローソン(レーシングブルズ)と衝突してリタイアを余儀なくされた。




2025年F1第6戦マイアミGP ターン1で接触したリアム・ローソン(レーシングブルズ)とジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)




 今季初めてチームメイトのピエール・ガスリーを予選で上回ったものの、始まったばかりのF1キャリアでまだ1ポイントも獲得していない21歳のドゥーハンにとって、この結果で厳しい6レースを締めくくることとなった。


■疑念はデビュー当初から


 アルピーヌはドゥーハンを2025年のシートに昇格させたばかりだ。チームは、アブダビで行われた2024年のシーズン最終戦から、ハースに移籍するエステバン・オコンのシートに彼を起用した。しかし、ドゥーハンの長期的な将来についての疑問がすぐに浮上した。ドゥーハンがF1で全力を発揮する前から、アルピーヌのエグゼクティブアドバイザーであるフラビオ・ブリアトーレは、アルゼンチン出身の有望株であるコラピントを含む代替案を検討していたと報じられている。


 ウイリアムズのリザーブドライバーであるコラピントをチームに迎え入れる話し合いは、昨年末に始まった。今年1月にコラピントがアルピーヌのリザーブドライバーとして正式に契約したことで、ドゥーハンへのプレッシャーはさらに高まった。シーズン序盤に切れのあるスピードでチーム内の一部の人々を感心させるなど、持ち前のペースを発揮していたが、一連のミスや一貫性のないパフォーマンスにより、ドゥーハンは、不利な立場に置かれてしまった。



アルピーヌのリザーブドライバーを務めるフランコ・コラピント

 公平に言えば、アルピーヌのマシンのパフォーマンスも期待を下回っており、ドゥーハンの苦戦に拍車をかけている。それでも、チームメイトのガスリーと比べるとドゥーハンは劣勢に立たされることが多く、週末をクリーンにまとめたり、チャンスを活かしたりすることができていない。


『The Race』の報道によると、ドゥーハンはレースシートから外される予定であるにもかかわらず、ポール・アーロンとともにリザーブドライバーとしてチームに残るという。ドゥーハンの降格は、現代のF1の残酷で苛烈な性質を改めて思い起こさせるものだ。


 F1は結果が評価され、パフォーマンスが低ければ罰せられるスポーツであり、多くの場合感情に左右されることはない。ルーキーには素早い適応力が求められる。成長に伴う痛みに対する配慮はなされているものの、その配慮はますます制限されるようになっている。今日の極めて競争の激しいフィールドにおいて、短期的な利益と長期的な安定を追求するチームは難しい決断を進んで下すようになっており、ドゥーハンはその無慈悲な現実の最新の犠牲者のように見える。


 コラピントがイモラでデビューする予定ということは、アルピーヌはこの刷新によってシーズンの期待外れなスタートに新たな活力を吹き込むことを期待しようというのだろう。ドゥーハンにとって、今回の挫折は長い道のりにおける一時的な回り道となるかもしれないが、F1では2度目のチャンスは決して保証されていない。



2025年F1第6戦マイアミGP ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)

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