ジャイアンツ・バーランダー 300勝目指せる最後の投手!42歳衰えぬ闘争心 大谷との再戦「楽しみ」
2025年5月7日(水)1時30分 スポーツニッポン
現役最多の通算262勝のジャイアンツのジャスティン・バーランダー投手(42)がスポニチ本紙の独占インタビューに応じ、アストロズ時代に名勝負を繰り広げたドジャース・大谷翔平投手(30)との2年ぶりの再戦を熱望した。近年、米球界で重要視されなくなった勝ち星へのこだわりや史上25人目の300勝への思い、現役続行へのモチベーション、来年3月の第6回WBCへの思いなど、多岐にわたり語った。(聞き手・杉浦大介通信員)
——アストロズ時代に名勝負を繰り広げた大谷が、昨季ドジャースに移籍した。自身もメッツ、ア軍復帰を経て、ジャイアンツへ移籍し、再び同じナ・リーグ西地区のライバル球団の所属になった。
「私もまた常に翔平との対戦を楽しんできた。彼はアンビリーバブルな打者になった。シーズンを重ねるごとにさまざまな形で適応を進めているのが見て取れる。偉大な選手たちというのはそういうもの。見ていても楽しい選手だから、再び対戦するのを楽しみにしている。翔平との勝負は常にいいチャレンジだ」
——現役最多26完投。近年の大リーグは先発投手の5、6イニングでの交代が増加している。
「個人的には今のトレンドが好きではない。どんな投手も本音を言えば、自分で投げ切って勝ちたいと思っているだろう。それこそが先発投手としての私たちの仕事だと思う。私たちは勝つために投げるんだ。特に少し点差が離れた時は、1、2点を失うことを恐れずにより大胆に投げるべきと考えている。投手の勝ち星には価値があると思うし、とても大事にしている」
——今でも7、8回と投げたいという気持ちはあるか?
「もちろんだ。いつだって行けるところまで投げたいという気持ちに変わりはない」
——現役最多262勝。“通算300勝が目指せる最後の投手”と呼ばれている。
「先発投手が勝ち星を手にすることは重要だ。打者と競い合い、長いイニングを投げて勝ちを得ること以上に気分のいいものはない。先発が長く投げれば、チームを助けることにもなる。私が勝てば、チームも勝つ。それが全員にとって最高の結果だ」
——42歳を迎えても現役を続けられるモチベーションは?
「私は依然としてベースボールを愛している。そして、まだいい結果を出すだけの能力があるという自信がある。まだ闘争心が残っているし、必要なだけのことをこなす意欲がある。だから、できる限り投げ続けたい」
——来年3月の第6回WBCに、米国代表として初出場したい気持ちは?
「まだ分からない。先発投手が(3月に)投げることはかなり大きな負担がかかる。かなり熟考しなければいけないから、現時点では分からない。米国代表は大学(オールド・ドミニオン大)時代にプレーして以来一度も投げていないから、新たなモチベーションになるのは分かってはいるけれどね」
◇ジャスティン・バーランダー 1983年2月20日生まれ、米バージニア州出身の42歳。オールド・ドミニオン大から2004年ドラフト1巡目(全体2位)でタイガース入団。11年に24勝5敗、防御率2.40、250三振で投手3冠に輝き、サイ・ヤング賞とシーズンMVPを受賞。アストロズ移籍後の19、22年にもサイ・ヤング賞。夫人はモデルのケイト・アップトン。通算3452回2/3、262勝、3448奪三振はいずれも現役最多。1メートル96、108キロ。右投げ右打ち。
▽バーランダーVS大谷 過去の対戦は全て大谷のエンゼルス時代で通算23打数5安打、打率.217、2本塁打、3打点。メジャー1年目の18年5月の初対戦で4打数無安打3三振と完敗した大谷は「野球をやってきて、打席で見た一番速い球。ここまで品のある球というか、スピードも経験したことがない。いくら払ってでも、経験する価値のあること」と衝撃の大きさを口にした。ただ、3度目の対戦となった同年8月には左中間への2ランでリベンジ。翌19年7月にも中越えソロを放った。両軍の対決は6月以降に13試合が組まれている。大谷が投手復帰する見込みの後半戦には初の投げ合いが実現する可能性もある。