DeNA・度会 「3番」スタメンつかんだ裏に「指名外野手」の努力あり
2025年5月7日(水)5時0分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ DeNA3—0中日(2025年5月6日 バンテリンD)
【記者フリートーク】4月10日。2軍練習施設「DOCK」での日産自動車との練習試合に、「左翼」で先発出場する度会の姿があった。同6日に今季初の1軍昇格。だが前日の9日巨人戦試合後、度会の「2軍試合参加」がリリースされた。
巨人戦後に度会と話すと、「僕、明日2軍戦なんです」と困惑した表情を浮かべていた。この時点で記者は、「2軍で打席を稼ぐのかな」と思ったが、それは大間違い。実はこの試合参加は、首脳陣が度会の守備強化にあてたプランだった。
つまり「指名外野手」での守備訓練。打席には1度も立たず、度会は一生懸命に左翼の守備をこなした。
同5日の時点で、度会はイースタン・リーグで11試合、打率・333をマークする好調ぶりだった。それでも1軍昇格の声はかからない。記者が桑原義行2軍監督にその理由を確認すると、指揮官は即答で「守備」と答えた。
それは、誰もが思うスラッガーのウイークポイントだった。それでも、6日にオースティンが「下半身のコンディション不良」を発症し離脱。度会に昇格の白羽の矢が立った。
桑原監督は「守備強化を終える前に昇格しました」と苦笑いする。だからこそだ。指名外野手は、強化の延長戦ということだった。
そして今。度会は「3番」打者として定着する一方で、必死に右翼、左翼の守備をこなしている。本拠地・横浜スタジアムでは、河田雄祐外野守備コーチに「ほらっ隆輝、早く準備しろ」とせかされながら、必死に早出の外野練習に取り組む姿を目撃できる。
決勝打を放った6日の中日戦後、記者は河田コーチに「守備が磨かれれば、度会君は盤石の中軸打者ですよね?」と聞くと、「まあね。守備はやればうまくなるよ。うまくなる」と回答された。その横で度会は、「レフトも得意ですし、打球も見やすいと思います」と前向きに報道陣に応えていた。
努力は実を結びつつある。ノックを受け続け指名外野手もこなしたからこそ、存在感を増すことができている。打撃は文句なし。記者はこれからも度会の「守備」にしっかりと注目していきたい。(DeNA担当 大木・穂高)