ド軍指揮官 7回のピンチで球数100球超の山本由伸を続投させた理由説明「その場面で一番良い選択肢」
2025年5月21日(水)15時11分 スポーツニッポン
◇ナ・リーグ ドジャース4×—3ダイヤモンドバックス(2025年5月20日 ロサンゼルス)
ドジャースの山本由伸投手(26)が20日(日本時間21日)、本拠でのダイヤモンドバックス戦に先発し、メジャー最多となる110球を投げ7回1安打無失点9奪三振。6勝目はお預けとなったが、チームはサヨナラ勝ちで連敗を4で止めた。
山本は6回まで無安打投球、許した走者は四球の1人だけと強打のダイヤモンドバックス打線につけいる隙を与えなかった。
1—0の7回、先頭・マルテに直球を右翼方向へ弾き返され、この試合初めてのヒットを許した。さらに次打者・グリエルへの初球が暴投となり二塁まで進まれ得点圏に走者を背負った。
それでも動じない。グリエルを三ゴロに打ち取ると、ネーラーは詰まらせてニゴロ。前回対戦で満塁本塁打を浴びたモレノを四球で歩かせ2死一、三塁とした。ここでベッツら内野陣がマウンドに集まり一呼吸。続くスミスを2ボール2ストライクからの6球目、カットボールで空振り三振に仕留めると、マウンドで大きく吠えてガッツポーズ。本拠ファンは総立ちで拍手し「ヨシ!ヨシ!」というコールで右腕の熱投を称えた。
メジャー最多110球を投げ、7回1安打9奪三振。まさにエースのピッチングだった。デーブ・ロバーツ監督はこの日の山本の投球について「今夜の彼は打者に対して優位に立っていたと思います。スプリットやカーブが今日は本当に効果的でした。ただ、相手打線は非常に厄介で、うまく交わし続けなければなりませんでした」と絶賛した。
また、山本がメジャー自己最多110球に達した理由についても説明。「エースという言葉は慎重に使っていて、そこには重みがあります。左右両打者を抑えられて、必要な時に長いイニングを投げられる能力がある。そういうトップレベルの投手は少ないですが、山本は自信に満ちた選手です。100球を超えても、最後の打者(スミス)と勝負したがっていた。その姿勢が信頼に値します」とエースの称号を与えた。
また、球数が100球を超えた1—0の7回2死一、三塁の場面でも山本を信頼したということかと問われると「そうです。球数や3巡目ではなく、彼がその場面で一番良い選択肢だったということです。今のチーム状況では、彼にその回を託すのがベストでした。そして彼はそれに応えてくれました」と説明した。
さらに「この1年半、彼を見てきて、すごく意図的に努力する選手だと感じています。成功が彼にさらに自信と確信を与え、投球の精度も増してきた。前の数試合は少しメカニックが狂っていたかもしれませんが、うまく修正して初球から集中していました。ストレスもなく、フォームも安定していて、全体的に非常に安定した内容でした」と山本の野球に向かう姿勢も称えていた。