吠えた!山本由伸が7回無失点の快投 メジャー最多110球で1安打9奪三振 ファン総立ち「ヨシ」コール
2025年5月21日(水)12時55分 スポーツニッポン
◇ナ・リーグ ドジャース—ダイヤモンドバックス(2025年5月20日 ロサンゼルス)
ドジャースの山本由伸投手(26)が20日(日本時間21日)、本拠でのダイヤモンドバックス戦に先発。7回1安打無失点、メジャー最多110球で9奪三振の快投でドジャースタジアムを沸かせた。
1—0の7回、先頭・マルテに直球を右翼方向へ弾き返され、この試合初めてのヒットを許した。さらに次打者・グリエルの初球が暴投となり二塁まで進まれ得点圏に走者を背負った。
それでも動じない。グリエルを三ゴロに打ち取ると、ネーラーは詰まらせてニゴロ。前回対戦で満塁本塁打を浴びたモレノを四球で歩かせ2死一、三塁とした。ここでベッツら内野陣がマウンドに集まり一呼吸。続くスミスを2ボール2ストライクからの6球目、カットボールで空振り三振に仕留めると、マウンドで大きく吠えてガッツポーズ。本拠ファンは総立ちで拍手し「ヨシ!ヨシ!」というコールで右腕の熱投を称えた。7回110球はメジャー最多の球数となった。
立ち上がりは先頭・キャロルを中飛に打ち取ると、続くマルテも右飛。グリエルもカットボールで遊ゴロに打ち取り、3者凡退でチーム6試合ぶりに初回無失点を記録した。
2回もモレノを96・4マイル(約155・1キロ)の直球で空振り三振に仕留めるなど、3回までは走者1人も出さない完全投球と圧巻の投球を見せた。
4回1死から2番・マルテにフルカウントからボールを見極められ、四球でこの試合初めて走者を出したが動じず。続くグリエルをスプリットで空振り三振に仕留めると、ネーラーも三ゴロ。前日11安打9得点を許した強打のダイヤモンドバックス打線を封じた。
5回も先頭・モレノを三飛に打ち取るとスミスを外角直球で見逃し三振、ペルドモを左飛に仕留めた。
圧巻だったのは6回。先頭・トーマスを内角直球で見逃し三振に仕留めると、続くローラーはスプリットで空振り三振。キャロルは95・8マイル(約154・2キロ)の低め直球で見逃し三振と3者連続三振でつけいる隙を与えなかった。
チームは今季ワーストの4連敗中で、4試合で計32失点と投手陣の不安定さが露呈。特に初回に5試合続けて失点していた。スネルやグラスノー、佐々木といった先発陣に加え、フィリップスやイエーツら救援陣も負傷者リスト(IL)入りするなど、故障者が続出しており、右腕にかかる期待は大きかった。
この日の試合前もロバーツ監督が「彼は今、まさに“エース”としての姿を見せ始めています。その“エース”としての存在感というのは、例えば今日のような試合に表れるものだと思うんです。つまり、チームが悪い流れの中にあって、それを断ち切る“ストッパー”としての役割が求められる」と期待を寄せていたが、期待どおりの快投をしてみせた。