得点力不足にあえぐ中日のキーマンは上林 井上監督の“カラー”に染まった男の爆発力に期待

2025年5月23日(金)7時10分 スポーツニッポン

 得点力不足にあえぐ中日打線で、奮闘している男がいる。上林誠知外野手(29)だ。5月16日の巨人戦で1試合2本塁打を記録。19年7月8日の西武戦以来となる自身3度目で、2打席連発は自身初だった。23年オフにソフトバンクを戦力外となり移籍2年目となったシーズンで存在感を示している。

 「1試合2発は何度かありましたが、2打席連発は初めてでしたね。あの2本目は(巨人の)大勢から打てると思わなかったですが、球の勢いをうまく利用した感じで、力んでもいなかった。次につなげていきたいです」

 ポーカーフェースのクールな男が“キャラ変”で臨む。春季キャンプから井上監督のトレードカラーだったピンク色を意識して、マスコットバットやTシャツ、リストバンドなどをピンク色で揃えて猛アピールしてきた。

 オープン戦打率・341、両リーグトップタイとなる3本塁打を放ち開幕1軍入り。4月1日の巨人戦では、代走出場した場面で三塁手のタッチをかわす“神の手”走塁を披露し、その後の決勝ホームを踏むなど奮闘。22日終了時点で出場41試合で打率・261、5本塁打、20打点。井上監督も「うちでは外せないピースという形で、いい働きをしてくれている」と評価。囲み取材では真顔のままジョークを繰り出すので“どこまで冗談で、どこから真面目な話なの?”と感じる部分はあるが、ベンチで笑顔を見せるなど感情を全面に出そうとする姿は、これまでとのギャップも相まって竜党の心をつかんでいる。

 仙台育英からソフトバンクに13年ドラフト4位で入団。18年に全143試合出場し打率・270、22本塁打、62打点を記録した。しかし、19年に死球を受けて右手を骨折し、22年には右アキレス腱断裂。「5ツール・プレイヤー」として評価されていた中で、度重なる故障に泣かされ続けてきた。昨年末のナゴヤ球場で、「やっぱり、どうしても良かった時の自分のスイングを、と考えてしまうことはある」と悔しい胸の内を、こぼした姿は印象深い。

 チームは、細川や福永、村松と負傷者が続出した影響は大きいが、低迷打破へ好機を演出できる存在が必要。崖っ縁からはい上がった背番号51がキーマンの予感だ。(記者コラム・湯澤 涼)

スポーツニッポン

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