“球界の常識”が当てはまらない「投手・大谷」 ド軍首脳陣が熟考し続けるリハビリが示す異能の存在感「完全なる例外だった」
2025年5月25日(日)16時0分 ココカラネクスト

ようやく実戦形式の登板まで辿り着いた大谷。(C)Getty Images
球界全体が関心を集める大きな一歩を大谷翔平(ドジャース)は踏み出す。
現地時間5月24日、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督は、翌25日に大谷が打者と対戦する実戦形式の投球練習を行うと改めて明言した。唯一無二の二刀流スターにとっては、2023年9月に執行した右肘への手術後、初となる“実戦マウンド”となる。
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2イニングを想定して実施するという中で大谷は、同僚のキム・ヘソンとダルトン・ラッシングとの対戦を予定。強い負荷はかけないと思われるが、「とにかく無事に終えて、次のステップに進めることが重要だ」と語るロバーツ監督にとっても興味深いプロセスとなるのは間違いない。
球界を席巻した「投手・大谷」の本格復帰には、米メディアもこぞって反応。米誌『Sports Illustrated』など大手媒体も「大きな一歩だ」と銘打った記事を発信するなど、大々的にクローズアップされた。
もっとも、ここから本格的な復帰を遂げるのは、まだいくつかのプロセスを踏む必要がある。
通常、肘にメスを入れる手術を行った投手は、ライブBP(実戦形式の投球)を経て、マイナーリーグで5試合ほどのリハビリ登板を実施。そして、首脳陣と医師がゴーサインを出した段階で復帰となる。ただ、大谷はドジャース打線の肝となる主力打者であり、球界の「常識」や「定石」は適さない。
特殊であるがゆえに打者としての負荷を加味しながら、再発の懸念を考慮していく必要はある。実際、ロバーツ監督は「正直なところ、その時々の状況に応じて次のステップを決めていくと思う」と強調している。
さらに投手陣の状態管理を任されているマーク・プライアー投手コーチも、米YouTubeチャンネル『Dodgers Territory』において「ただ、彼の攻撃面での負担や身体が受けるストレスの影響を考えると、すべてが『未定』」と断言。「我々は過去に同じ怪我をした投手の実例をもとに対応していける。でも、ショウヘイの場合はすべてが特別。完全なる例外だった」と大谷がいかに稀有な存在であるかを論じている。
ここから「投手・大谷」は復帰に向けたステップアップしていくのか。その異端な調整法は未来の二刀流選手たちのサンプルになり得るという意味でも興味深い。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]