得意のザクセンリンクで転倒のM.マルケス、負傷の状態と土曜日の走行は/MotoGP第9戦ドイツGP
2024年7月6日(土)5時20分 AUTOSPORT web

マルク・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が、得意のザクセンリンクで、ドゥカティにおける初優勝を飾るのか。それは、ドイツGPにおける大きな注目の一つである。しかし、ドイツGPの初日である金曜日午後のプラクティスで、マルケスは転倒を喫し、怪我を負った。
じつは、マルケスはフリープラクティス1でも、1コーナーで転倒を喫している。プラクティスでは11コーナーでの転倒で、ともに右コーナーだ。ザクセンリンクは13のコーナーのうち、左コーナーが10という、極端に左コーナーが多いレイアウトになっている。つまり、右コーナーは3つしかないため、タイヤの右側が冷えやすい。
これに加えて、この日は風が吹き、気温、路面温度が低かった。午前中のフリープラクティス1は気温17度、路面温度23度で、午後のプラクティスでもあまり変わらず、気温18度、路面温度26度だった。冷たい風の影響もあって、長袖にパーカーを着込んでも、寒いと感じる体感温度である。走行後の囲み取材で語っていたライダーたちのコメントを総合すると、こうした風と気温が、転倒を引き起こしていたようだ。転倒したのはマルケスだけではなく、中上貴晶(イデミツ・ホンダLCR)やマルコ・ベツェッキ(プルタミナ・エンデューロVR46・MotoGPレーシングチーム)なども1コーナー、11コーナーで転倒を喫した。
ただ、マルケスにとって不運だったのは、怪我を負ったことだ。プラクティスを13番手で終えたマルケス本人の囲み取材は行われなかったため、MotoGP.comによるグレシーニ・レーシングMotoGPスポーティング・ディレクター、ミケーレ・マジーニのコメントから引用する。
「マルクはすでにメディカルセンターに行き、その後、適切な処置を受けるために理学療法士のところに行って、すでにガレージに戻っています。左手の人差し指に小さな骨折がありますが、明日の走行には差し支えはないでしょう。むしろ右の肋骨にかなりの痛みがあってこちらのほうが重いのですが、骨折はしていません。一晩様子を見て、痛みが軽減されるといいのですが。明日の走行については許可されています。今のところは走る予定です」
ザクセンリンクは左回りのサーキットを得意とするマルケスが、125ccクラス、Moto2クラスを含めて11度の勝ち星を挙げてきたサーキットである。木曜日のプレスカンファレンスでは、「もし、完璧な週末にできたら、つまり正しく前進して、全てをまとめることができたら、この二人(フランセスコ・バニャイアとホルヘ・マルティン)と戦うチャンスがあるだろう。ザクセンリンクはこの二人と戦うチャンスを少し高めてくれる」と、現実的ながら、可能性を語っていた。
この会見では、マルケスが「マルケスにとっての左コーナーと右コーナーの違い」を説明していたので、それを付け加えたい。マルケスによれば、右コーナーはホンダ時代よりもさらに「弱点」になっているという。
「(違いは)わからない。ただ、以前は確かに僕は左コーナーがとても速かった。対して、右コーナー、特に右の高速コーナーがまあまあだったんだけど、今では苦しんでいるところなんだ。以前は(右コーナーは)ちょっとした弱点だったけど、そこまでじゃなかった」
「どうして右コーナーでタイムロスしてしまうのか、まだドゥカティから学んで理解しようとしている最中だよ。トレーニングモードを変えてみたり、ライディングスタイルを変えたりしてみたけど、今の状態なんだ」
今回の11コーナーはまさしく高速の右コーナーだったのだが、マルケスの言う「苦しんでいる」がクラッシュにつながったのか、あるいは、上述のように、多くのライダーの足元をすくったコンディションの影響だったのか。それは、マルケスによって転倒の原因が語られていないため、不明である。
いずれにせよ、現時点で、マルケスは土曜日のセッションを走ると発表されている。2024年のドイツGPは、マルケスにとって、“予想外”となるのか、それとも。
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