岩佐歩夢、15番手から2位表彰台獲得。タイトル争いに望みを繋ぐ/FIA F2第13戦レース2
2023年9月3日(日)18時3分 AUTOSPORT web

9月3日、2023年FIA F2第13戦のフィーチャーレース(決勝レース2)が、イタリアのモンツァ・サーキットで開催され、フェラーリ育成のオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング)がチームとフェラーリの地元で今季4勝目を飾った。15番手スタートの岩佐歩夢(ダムス/レッドブル&ホンダ育成)は2位となった。
今回のフィーチャーレースを含め、今季も残るは3レース。第13戦フィーチャーレースのグリッドは1日に行われた予選結果順となり、ランキングトップのプルシェールがポールポジションを獲得。
2番グリッドにオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)、2列目3番グリッドにロマン・スタネ(トライデント)、4番グリッドにアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト/レッドブル育成)、3列目5番グリッドにランキング4位のビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)が続いた。
スプリントレース(決勝レース1)ウイナーであり、ランキング2位につけるフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)は8番グリッドから、そしてランキング3位につける岩佐は15番手からそれぞれスタートを迎えた。
今回のタイヤコンパウンドはプライムタイヤがミディアム(イエロー)、オプションタイヤがスーパーソフト(パープル)となるなか、プルシェールを筆頭に上位勢はスタートタイヤにオプションタイヤを装着。一方、岩佐を含む数台はプライムスタートを選択した。
直前の計測で気温23度、路面温度26度というコンディションのもと、タイヤ交換義務を有する周回数30周(60分+1周)のフィーチャーレースはスタートを迎えた。
2番手スタートのベアマンがターン3でプルシェールをかわしトップに浮上。しかし、その直後第2シケイン立ち上がりでスタネに寄せられたランキング2位ベスティが芝生の上でステアリングを取られスピンを喫し、ガードレールにクラッシュ。
また、クレモン・ノバラック(トライデント)がターン7アウト側のグラベル上にマシンを止め、オープニングラップ早々セーフティカー(SC)が導入される。
レースは4周目に再開。ベアマン、プルシェール、マルタンス、スタネ、クッシュ・マイニ(カンポス・レーシング)、リチャード・フェルシュフォー(ファン・アメルスフォールト・レーシング)というトップ6が隊列を率いる。また、岩佐は13番手でリスタートを迎えた。
ベアマンが抜群のリスタートを見せレースをリードするが、2番手プルシェールもファステストを更新するペースで周回。またマルタンスも昨日のスプリントレースに続いて好ペースを維持する。
そんな中、7周目のターン1でアーサー・ルクレール(ダムス/フェラーリ育成)が止まりきれず単独スピン。第1シケイン先のエスケープゾーンのそばでマシンを降り、2度目のSC導入となる。
このSC導入中にオプションスタート勢はタイヤ交換義務を消化するべくピットイン。オプションタイヤ勢にとっては好機となる一方、プライムタイヤスタート勢のユアン・ダルバラ(MPモータースポーツ)、ジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング/アルピーヌ育成)、岩佐、アイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト/レッドブル育成)の4台はコース上にステイアウトせざる負えない状況に。
ダルバラ、ドゥーハン、岩佐、ハジャル、義務消化済のベアマン、義務消化済のプルシェールというトップ6でレースは12周目に再開された。第1シケインでダルバラ、ドゥーハン、岩佐が3ワイドとなる一方、ホームストレート後方でマロニーがクラッシュ。
岩佐はドゥーハン、ダルバラを第2シケインの飛び込みでかわしトップに浮上。その直後に3度目のSC導入となり、ホームストレート上でのアクシデントだったことから全車がピットロードを通過することに。
このタイミングで岩佐、ダルバラ、ハジャルがスーパーソフトに交換。窮地から大幅なポジションアップという絶好の機会を得た。ただ、ピットイン時に岩佐の背後にいたダルバラが4番手でコース復帰した一方、岩佐は10番手と大きく後退することに。
一方、プライムスタートのドゥーハンはステイを選択し、ベアマンに続く2番手。3番手プルシェール、4番手ダルバラ、5番手マイニ、6番手フェルシュフォー、7番手マルタンスというトップ7となる中、16周目にレースは再開。リスタート早々、好調マルタンスはフェルシュフォーをかわし6番手に浮上する。
17周目、プルシェールはドゥーハンのペースに蓋をされる形となり、ベアマンとのギャップがどんどんと広がる。そんな中、18周目の第1シケインでハウガーがオーバーランし、岩佐が9番手に浮上する。
プルシェールは18周目にドゥーハンを攻略。しかし、この時点でベアマンとのギャップは2.5秒まで広がっていたが、プルシェールはファステストを更新しつつ、そのギャップを縮めにかかる。
一方、5番手マルタンスはDRSが閉じないというトラブルに見舞われる。そんな中、20周目にクロフォードがマルタンス、マイニをまとめてかわし5番手に浮上。マルタンスにブラック&オレンジフラッグが提示され、ピットに入ることとなり、岩佐が8番手に浮上。さらに岩佐は21周目のターン1でフェルシュフォーをオーバーテイクし7番手に浮上する。
23周目、岩佐の前を走るクロフォードとマイニがターン3で接触、マイニはフロントにダメージを受けレースを終え、クロフォードは左リヤタイヤをパンクしてしまう。4度目のSC導入となると、ドゥーハンが最初のタイヤ交換、そしてダルバラはタイヤが限界を迎えたか、2度目のピットストップでスーパーソフトに交換し12番手に後退する。
これでベアマン、プルシェール、岩佐、フェルシュフォー、フィッティパルディ、ハウガーというトップ6に変わる。
レースは27周目に再開。岩佐はタイトルに望みを繋ぐべく、その実力を発揮。第1シケインでプルシェールをかわし、2番手に浮上する。
一方、窮地を迎えたのはプルシェールだった。背後にはフェルシュフォー、フィッティパルディらが接近。しかし、その直後クロフォードがターン10でマシンを止め、29周目にVSCが導入される。そのVSCはSCに切り替えられた状態でファイナルラップを迎えそのままチェッカー。
ベアマンがプレマ、そしてフェラーリの地元で今季4勝目を飾った。岩佐は15番手から見事な追い上げで2位、そして3位にプルシェールが続いた。
2023年のFIA F2も次戦、11月24〜26日にアブダビのヤス・マリーナで開催される最終戦/第14戦を迎える。残りは2レース、岩佐はどのような走りを見せてくれるのか。そしてタイトル争いの行く末はいかに。引き続き、目が離せない戦いは続く。
■2023年FIA F2第13戦モンツァ
フィーチャーレース(決勝レース2)暫定結果
Pos. | No. | Driver | Team |
---|---|---|---|
1 | 8 | O.ベアマン | プレマ・レーシング |
2 | 11 | 岩佐歩夢 | ダムス |
3 | 5 | T.プルシェール | ARTグランプリ |
4 | 4 | E.フィッティパルディ | ロダン・カーリン |
5 | 1 | D.ハウガー | MPモータースポーツ |
6 | 14 | J.ドゥーハン | インビクタ・ビルトゥジ・レーシング |
7 | 2 | J.ダルバラ | MPモータースポーツ |
8 | 15 | A.コルデール | インビクタ・ビルトゥジ・レーシング |
9 | 25 | R.ボシュング | カンポス・レーシング |
10 | 20 | R.スタネ | トライデント |
11 | 10 | I.ハジャル | ハイテック・パルスエイト |
12 | 17 | J.メイソン | PHMレーシング・バイ・チャロウズ |
13 | 22 | R.フェルシュフォー | ファン・アメルスフォールト・レーシング |
14 | 23 | J.コレア | ファン・アメルスフォールト・レーシング |
15 | 16 | R.ニッサニー | PHMレーシング・バイ・チャロウズ |
16 | 9 | J.クロフォード | ハイテック・パルスエイト |
– | 24 | K.マイニ | カンポス・レーシング |
– | 6 | V.マルタンス | ARTグランプリ |
– | 3 | Z.マロニー | ロダン・カーリン |
– | 12 | A.ルクレール | ダムス |
– | 7 | F.ベスティ | プレマ・レーシング |
– | 21 | C.ノバラック | トライデント |