藤井聡太竜王、小学生らに集中力の極意伝授…「勝負所で集中し相手の手番では休んでいます」
2025年5月24日(土)15時42分 読売新聞
竜王セッションで「目隠し将棋」にチャレンジした藤井竜王(左)と青嶋七段(24日、東京都千代田区のよみうり大手町ホールで)=吉田祐也撮影
将棋の盤上で「知」を探究し続けている藤井聡太竜王が24日、東京都千代田区のよみうり大手町ホールで行われたイベント「竜王セッション2025」(特別協賛・SAPIX YOZEMI GROUP)に登壇し、小学生らに集中力の極意を伝授した。
持ち時間が8時間の竜王戦七番勝負など、長時間の対局の際に藤井竜王は「本当に真剣に考え続けられるのは60分から90分くらいなので、勝負所で集中して考えていて、相手の手番では少し休んでいます」と明かした。続けて「対局の際の緊張感は、集中力の持続という面で良い方向に作用する」と話すと、客席の保護者らは懸命にメモを取っていた。
子供向けのイベントということで、小学校の頃の得意科目を尋ねられた藤井竜王は「社会です。地図を見るのが好きで、特に地理が好きでした」と答えた。苦手科目については「美術・図工です。造形してと言われても、何も浮かびません」と苦笑いした。
第2部では藤井竜王と青嶋未来七段が盤を見ないで指す「目隠し将棋」を披露した。盤を見ずに1手10秒以内で指す棋士の「超人技」を目の当たりにした児童らは「すごすぎる」と声をあげていた。初の脳内将棋に「いやあ」と苦悶しながらも、淡々と棋譜を読み上げ続けた藤井竜王がデモンストレーションの対局に勝利した。
その後は盤面を見ることなく難解な詰将棋を解く企画に挑戦した藤井竜王は、瞬時に詰将棋を解き終え、子供たちは「早すぎる」と歓声をあげた。青嶋七段は「自分は解くのに5分かかったのですが、神業をみせていただきました」と感嘆していた。(吉田祐也)