藤井名人 “苦手”ホームで3勝目、V3王手 102手で永瀬九段を撃破 名人戦第3局
2025年5月11日(日)5時0分 スポーツニッポン
将棋の藤井聡太名人(22)=王将を含む7冠=に永瀬拓矢九段(32)が挑む第83期名人戦7番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)は10日、大阪府泉佐野市の「ホテル日航関西空港」で第3局2日目が指し継がれ、102手で後手・藤井が勝利した。対戦成績を3勝0敗とし、3連覇へ王手をかけた。
藤井が2手目、飛先の歩を突かず角道を開けた。3月8日のALSOK杯第74期王将戦第5局1日目、プロ9年目で初めて公式戦で指して以来。そして、藤井には珍しい相矢倉へ進めた。82手目で4段目、88手目で5段目。悠長にすら思えた自陣からの6筋の歩が永瀬陣の急所を突いた。
「速い攻めになりそう。その辺りで指しやすくなったと感じた」。投了図は金矢倉がほぼ残り、攻め駒も全軍躍動。無駄駒のない快勝譜だった。
四段昇段以来、関西将棋会館を本拠地とするが、大阪府下のタイトル戦は最近4連敗。高槻市での22年度王将戦第2局に23年度名人戦第3局、茨木市での昨年度竜王戦第4局、そして高槻市での王将戦第4局とホームで黒星が続いた。タイトル戦通算104勝24敗1千日手の勝率・813を誇る藤井が、珍現象に終止符を打った。第4局は17、18日に大分県宇佐市の宇佐神宮で指される。(筒崎 嘉一)