永瀬拓矢九段は全員リーダー格のチーム編成に!「我がチームが一番どうなるか楽しみ」“鉄の絆”元相棒はくじ引きで逃す/将棋・ABEMAトーナメント2025
2025年5月25日(日)9時0分 ABEMA TIMES

紆余曲折を経て、最強チームを結成!?将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」は5月24日にドラフト会議の模様が放送された。前年準優勝の永瀬拓矢九段(32)は、一巡目に佐々木勇気八段(30)、二巡目で“レジェンド”羽生善治九段(54)を獲得。「とても嬉しい気持ちと、勉強になる瞬間も多いと思う」と3度目の優勝を目指すチームに期待を込めていた。
一巡目には、幼少期からのライバル関係でもある佐々木八段を指名。構想通りの獲得ではあるものの、「佐々木勇気さんと仲良くやろうかと思ってたんですけど、なかなかそういう感じにはならないですかねー(笑)」と首をかしげていた。
また、二巡目には過去のチーム永瀬の原動力だった増田康宏八段(27)を指名したものの、佐藤天彦九段(37)と重複し、くじ引きの末に逃す結果に。過去5大会のすべてで永瀬九段を支えてきた増田八段との“鉄の絆”が破れたが、「まさか外れるとは思ってなかったので、予想外の事態でした」と苦笑いを見せた。
構想段階では「佐々木八段→増田八段→服部慎一郎七段」と明言していた永瀬九段だが、くじ引き後に名簿を見直した結果、タイトル99期獲得のレジェンド・羽生九段を指名することに。「(将棋連盟)会長として将棋連盟や全棋士のために活動してくださっていますし、ABEMAトーナメントを初期から盛り上げてくださっている大先生なので、(指名を)落とすという選択ができなかった」と心境を告白。「予定と違う行動なので決断に時間を必要としましたが、結論として自分なりに羽生先生で組んでみたいということになりました」と選出に至った理由を語った。
また、藤井聡太竜王・名人(王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)から「永瀬九段から『手順前後がきかなかった』という発言がありましたが、お二人(佐々木八段と増田八段)とも指名するのは元から結構厳しかったのでは?」と指摘があったことを告げると、「あ!指摘されましたか!なーるーほーどー(笑)」とどこか嬉しそうな表情を見せる場面も。
「確かに手順前後感があったんですよ。佐々木勇気って自由奔放なんで、リーダーの誰も相当取れないんですよ。ただ、マッスー(増田八段)もどちらかというと色物寄りだと思っていたので、獲りに来られて痺れました。いやそうか、藤井さんがそう言うならそうか、なるほど…。藤井さんが言うように“スーパー色物”の佐々木勇気を二巡目にするべきでしたね」と納得顔ですべてを飲み込んでいた。
紆余曲折を経て結成した新体制のチーム永瀬ながら、「俯瞰してみても我がチームが一番どうなるか楽しみだなと思っています」と胸を躍らせている様子だ。「全員がリーダー格というのは今までないので、バランスが悪いかもしれないですが、結構いいチームだとも思うんです。羽生九段は実力を発揮してくださると信じています。“彼”の方には、ちょっと強めの言葉をかけるしかないですね(笑)」。誰よりも自軍の行先を楽しみにしているチーム永瀬は、例年には見られない表情にも期待できそうだ。
◆ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)