岩佐歩夢は接触で今季初無得点。優勝はレッドブル育成のハウガー【FIA F2第3戦メルボルン レース1】

2023年4月1日(土)13時12分 AUTOSPORT web

 4月1日、2023年FIA F2第3戦メルボルンのスプリントレース(決勝レース1)が、オーストラリアのアルバートパーク・サーキットで開催され、レッドブル育成のデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)がFIA F2通算3勝目を今季初優勝で飾った。レッドブル&ホンダ育成の岩佐歩夢(ダムス)は序盤の接触の影響で13位となり、今季初無得点に終わった。


 第3戦決勝レース1のグリッドは、3月31日に行われた予選トップ10のリバースグリッドで決定され、予選で10番手タイムを記録したデニス・ハウガー(MPモータースポーツ)がポールシッターに、フロントロウ2番手にはジャック・クロフォード(ハイテック・パルスエイト)が続き、レッドブル育成の2台が最前列に並んだ。セカンドロウ3番手にクッシュ・マイニ(カンポス・レーシング)、4番手に岩佐のチームメイトのアーサー・ルクレール(ダムス)が続いた。


 予選で4番手タイムを記録し、7番グリッドに着くはずだったアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト)は、予選中に他車の走路を妨害したとして3グリッド降格ペナルティを受けることとなり、予選でトップタイムをマークした岩佐が繰り上がりで9番グリッドを獲得した。


 FIA F2の決勝レース1直前に行われたF1のFP3では終盤より降雨があり、FIA F2レコノサンスラップの際には濡れた路面に足を取られたエンツォ・フィッティパルディ(ロダン・カーリン)がクラッシュ。ランキングトップのラルフ・ボシュング(カンポス・レーシング)も単独スピンからマシンを止め、22台中2台がダミーグリッドに辿り着く前に土曜日を終えることに。また、このレース3番手スタートのマイニもスピンを喫したが、マイニはグリッドに並ぶことが叶った。


 フィッティパルディの車両の回収のため、現地時間14時20分(日本時間12時20分)開始を予定していたフォーメーションラップ開始は5分ディレイに。その頃には雨脚はなくなり、雲の隙間から青空も顔をのぞかせる状況に。直前の計測で、気温16度、路面温度28.4度、コーナーによっては路面が完全には乾き切っていないところもあるなか、タイヤ交換義務のない22周の決勝レース1はスタートを迎えた。


 スタートではトップ3の順位は変わらず。ただ、ターン9、ターン11とクロフォードがハウガーに仕掛けるがここはハウガーがポジションを守る。一方、ソフトタイヤを履き、スタートで8番手までポジションを上げた岩佐だったが、オープニングラップのターン11進入でゼイン・マロニー(ロダン・カーリン)と接触。これで岩佐はタイヤにダメージをうけ、2周目終わりに緊急ピットインすることとなり、最後尾20番手に後退する。


 レースはDRSが使用可能となってからも、ハウガーがファステストラップを刻みつつ隊列をリード。2番手クロフォード、3番手マイニはなかなかハウガーとのギャップを縮めることができない。一方、3番手マイニと4番手ルクレールが、そして5番手ビクトール・マルタンス(ARTグランプリ)の背後にはマロニーが接近し、随所でサイド・バイ・サイドのバトルが見られた。


 10周目のターン9ではルクレールがイン側からマイニに仕掛けるというシーンも見られたが、ルクレールはマイニをなかなか攻略できない。その間にハウガーとクロフォードはマイニに2秒のギャップを広げる。


 レースも折り返しを過ぎた12周目ごろにはレース終盤の雨の可能性について無線を飛ばすチームも。なお、岩佐は11周目に1分31秒587をマークするなど、ハウガーと遜色ないペースで走行を続ける。13周目には国際映像のカメラに水滴が見え、ハイテック・パルスエイトのメカがレインタイヤを準備する様子も見られた。


 そんななか13周目のターン9でマロニーがマルタンスをパス。その混乱でアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト)、フレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング)がオリバー・ベアマン(プレマ・レーシング)をかわしポジションを上げる。また、14周目には地元オーストラリア出身のジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)がターン3でファン・マヌエル・コレア(ファン・アメルスフォールト・レーシング)との接触によりコース上にストップ。これでセーフティカー(SC)が導入される。レース後、コレアには10秒のタイムペナルティが課せられることとなった。


 そのタイミングで入賞圏外を走行していたテオ・プルシェール(ARTグランプリ)、ロマン・スタネ(トライデント)、アムーリ・コルデール(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング)、コレアがピットイン。ただ、冷えたウエットタイヤに変えたスタネはターン1でオーバーラン。そしてドライのソフトタイヤに履き替えたコレアはターン3でスピンする場面も。


 雨脚は弱い状況だが、中段勢は勝負に出る。SC中の17周目にマルタンス、ユアン・ダルバラ(MPモータースポーツ)、ブラッド・ベナビデス(PHMレーシング・バイ・チャロウズ)、そして岩佐がウエットタイヤに交換。18周目よりレース再開とアナウンスされたが、17周目のターン13でウエットタイヤに履き替えたベナビデスが止まりきれずウォールにヒットし、グリーン上でマシンを降りてしまう。これでSCエンディングのアナウンスはキャンセルされた。


 なお、20周目には岩佐が3度目のピットイン。ウエットタイヤからドライのミディアムに履き替えて戦列に復帰する。ベナビデスの車両回収後、レースは21周目に再開された。リスタート後は上位勢の順位は変わらず。


 22周目を終えハウガーがトップチェッカーを受け、今季初優勝。2位にクロフォード、3位にマイニが続いた。岩佐歩夢は最終的に13位でチェッカーを迎えた。なお、前戦ジェッダ終了時点でランキング上位3人だったボシュング、プルシェール、岩佐が揃ってノーポイントに終わるというレースだった。


 続く、フィーチャーレース(決勝レース2)は4月2日現地時間11時35分(日本時間10時30分*)、タイヤ交換義務を有する周回数33周で争われる。ポールポジションからスタートを迎える岩佐の走りに引き続き注目したい。


※オーストラリア東部のサマータイムは4月の第一日曜日の午前3時に終了

2023年FIA F2第3戦メルボルン 岩佐歩夢(ダムス)
2023年FIA F2第3戦メルボルン 岩佐歩夢(ダムス)


■2023年FIA F2第3戦メルボルン レース1暫定結果














































































































































Pos.No.DriverTeam
11D.ハウガーMPモータースポーツ
29J.クロフォードハイテック・パルスエイト
324K.マイニカンポス・レーシング
412A.ルクレールダムス
53Z.マロニーロダン・カーリン
610I.ハジャルハイテック・パルスエイト
78O.ベアマンプレマ・レーシング
87F.ベスティプレマ・レーシング
916R.ニッサニーPHMレーシング・バイ・チャロウズ
1022R.フェルシュフォーファン・アメルスフォールト・レーシング
1121C.ノバラックトライデント
1215A.コルデールインビクタ・ビルトゥジ・レーシング
1311岩佐歩夢ダムス
1423J.コレアファン・アメルスフォールト・レーシング
156V.マルタンスARTグランプリ
1620R.スタネトライデント
172J.ダルバラMPモータースポーツ
185T.プルシェールARTグランプリ
17B.ベナビデスPHMレーシング・バイ・チャロウズ
14J.ドゥーハンインビクタ・ビルトゥジ・レーシング
25R.ボシュングカンポス・レーシング
4E.フィッティパルディロダン・カーリン

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