巨人のドラ3・荒巻 プロ初先発で初安打!「気持ち良かったです」
2025年4月19日(土)5時30分 スポーツニッポン
◇セ・リーグ 巨人7—2ヤクルト(2025年4月18日 神宮)
「荒巻伝説」の始まりは、あの時も「ライト」だった。巨人のドラフト3位・荒巻が「6番・一塁」でプロ初先発出場すると、3—1の7回先頭でプロ初安打となる右前打を放った。通算6打席目で待望の「H」のランプをともすと一塁に到達する前から自然と笑みがこぼれ「気持ち良かったです。やっと出たと思ってホッとしました」と、にやけた。
母校・祐誠(福岡)の野球部には、ある伝説が残されている。
「あの家まで飛ばした先輩がいる——」
練習場の右翼後方にぽつんと立つ1軒の民家。数メートルある外野ネットを越えないと届かないが、その民家へ軽々と白球を運んだ「先輩」こそ、荒巻だ。打撃練習が終わると民家の住人がビニール袋いっぱいにして返しに来ていたことも語り継がれ「荒巻さんがあの家まで飛ばしていたって今でも伝説ですよ」と現役部員も証言する。自身も「おじさんとおばさんがいつもボールを持って来てくれてましたね」と懐かしむ。
上武大時代は4年時の全日本大学野球選手権で敗れた神宮でプロ初安打をマークし「最高の球場に変わりました」と、スコアボードに目を移した。チームは今季ヤクルト戦は4戦全勝で貯金1。阿部監督は「あと1999本目指して頑張ってほしい」と期待を込めた。荒巻は「次はホームランを打ちたい」と力を込める。目標に掲げるのは「巨人の4番」。この日のライト前を新たな伝説の始まりにする。(村井 樹)
◇荒巻 悠(あらまき・ゆう)2002年(平14)12月23日生まれ、福岡県出身の22歳。祐誠では1年夏からレギュラーを務め、高校通算37本塁打。上武大では1年春から関甲新学生リーグに出場し、4年春に本塁打、打点の2冠。同年大学選手権では8強入りに貢献した。24年ドラフト3位で巨人入団。1メートル84、93キロ。右投げ左打ち。