サヨナラ生んだ大勢の「心意気」 プライドよりチームへの忠誠心優先、謙虚さが一番すごい…宮本和知氏が絶賛
2025年4月30日(水)5時10分 スポーツ報知
12回、回またぎで力投する大勢(カメラ・今成 良輔)
◆JERA セ・リーグ 巨人4×—3広島=延長12回=(29日・東京ドーム)
大勢がもたらしたサヨナラ勝ちだよね。11回を投げ終えてベンチに戻った時に、阿部監督が隣に来て「次も頼む」と言ったようだけど、大勢自身が、もうその気でいたんじゃないかな。27日の阪神戦(甲子園)でも回またぎの姿勢を見せていたし。
野手だって、大勢の心意気に応えたくなるよ。増田大の12回の超ファインプレー、それまで5打席無安打の吉川、岡本に出たヒットも、おおげさかもしれないけど、大勢のパワーだよ。
これまで抑えのポジションを任されていたのに、今年はセットアッパーになった。誰にだってプライドはあるし、抑えという厳しい立場を全うするには、そのプライドが支えになることもある。それでも、大勢は自分のプライドよりもチームの勝利、チームへの忠誠心を優先した。自分の与えられた場所で働くんだ、という謙虚さを持っていることが、彼の一番すごいところだと思う。
先発の井上は6回に末包に打たれたタイムリーに悔いが残るね。2死三塁。末包と次のファビアン、2人で1つのアウトを取る考えを持つべきだった。6回を3失点。昨年なら好投と言われても、今や左のエースになってほしいとみんなが期待している。勝負所でのワンランク上のピッチングを望みたいね。(スポーツ報知評論家・宮本和知)