綱獲り大の里が白熊らと21番 前日は休日返上で出稽古「この3日間充実した稽古ができた」
2025年5月4日(日)16時53分 スポーツニッポン
大相撲夏場所(11日初日、東京・両国国技館)で初の綱獲りに挑む大関・大の里(24=二所ノ関部屋)が4日、茨城県阿見町の同部屋で十両・白熊、幕下・花の海と21番取って17勝4敗だった。
大の里は番付発表後に体調不良もあって1日の二所ノ関一門の連合稽古を休むなどペースダウン。2日の稽古総見で6日ぶりに実戦稽古を再開したが、横綱・豊昇龍に1勝8敗など6勝10敗と精彩を欠いていた。本番まで1週間に迫り「焦りはある」と漏らしていたが、部屋の稽古が休みだった3日には東京都足立区の境川部屋に出稽古し平幕・平戸海と20番。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)から「どこか出稽古に行った方がいいのでは」と言わたことを明かし「みんなと一緒に休んでいる場合ではないと思った。(二所ノ関)親方と相談してなまっている体を戻すには動きのいい相手がいいのではと思い、親方に境川親方にお願いしてもらった」と“休日返上”の経緯を説明した。
この日は右の相四つの白熊、突き押しの花の海との申し合い。立ち合いで圧をかけることができず、右を差しても攻めきれない場面もあった。だが、稽古の途中で師匠のアドバイスを受けると徐々に動きも良くなり、終盤は右を差して豪快に出る迫力十分の攻めも見られた。「アドバイスもらって少しは変わってきたかなと思う。番数を増やしてこの3日それなりにやってきていると思うので良かったと思う」。
番付発表前後に5日間相撲を取れなかった遅れを挽回するためには「量」をこなすことを頭にたたき込んでいる。この日も準備運動からしこ、すり足、てっぽうなどをいつも以上に行った。「出遅れているぶん、番数、基礎基本など量を増やしてやっている。内容はともかく細かいこと気にせず、しっかりと補っていけている」。内容的には復調途上に印象は拭えなかったが、上半身と下半身の連動がなかった稽古総見の動きからは良化がうかがえた。「最初は焦りはありましたけど、この3日間で充実した稽古ができた。焦りも徐々になくなってきた。状態はまだまだですけど、量を増やして追い込んで初日に間に合うようにしたい」。午前9時の稽古開始から約3時間の稽古を終え、充実の汗を拭う大関の表情に明るさが戻ってきた。