ドジャース・大谷 伝説の地弾「本当に良い思い出が多い」 50―50達成以来のローンデポ・パークで躍動
2025年5月7日(水)1時30分 スポーツニッポン
◇ナ・リーグ ドジャース7—4マーリンズ(2025年5月5日 マイアミ)
ドジャース・大谷翔平投手(30)が5日(日本時間6日)、マーリンズ戦で9号2ランを放ち、5年連続2桁盗塁の10盗塁目を記録した。今季メジャー全体の本塁打で最速の打球速度117・9マイル(約190キロ)。23年3月に侍ジャパンでワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を制し、昨年9月には史上初の「50—50(50本塁打、50盗塁)」を達成したローンデポ・パークで再び躍動し、快勝に貢献した。
この常夏の地は、大谷に不思議な力を与えてくれる。前人未到の「50—50」を達成した昨年9月19日以来、228日ぶりのマイアミ。伝説をつくったあの日のように打って、走って、躍動し「本当に良い思い出が多い。去年(の“50—50”達成)もそうだし(優勝した)WBCも含めて好きな球場の一つ。今日も良い試合だった」と感慨深げだった。
四球で出塁した3回に今季10盗塁目の二盗を決めると、3—0の5回無死二塁ではアルカンタラの97・7マイル(約157キロ)速球を強振。今季メジャーの全本塁打で最速の打球速度117・9マイル(約190キロ)の痛烈な一撃を右翼にある自軍ブルペンに運んだ。4月29日の前回対戦に続く22年サイ・ヤング賞右腕からの一撃に「投げている球が強い。その分(打って)跳ね返った球も強くなった」と謙虚に喜んだ。
35試合を終えて、シーズン換算では「41本塁打、46盗塁」ペース。出場33試合での9本塁打は昨季の35試合、10盗塁到達は昨季の41試合を、ともに上回っている。捕手フォーテスは、大谷の3回の二盗で2秒を切れば合格とされるポップタイム(捕球から送球が塁に到達するまでの時間)1・86秒を計測したが悠々セーフだった。
マーリンズのクレイトン・マッカラー監督は昨季までドジャース一塁コーチを務め、大谷の自己最多59盗塁を支えた。「元師匠」の前でさらに成長した姿を見せ「走塁の大きな前進につながる1年を去年一緒に過ごした。そういう意味で(盗塁を)決めたい気持ちはある」と素直に語った一方、「成功すると確信を持った時にスタートを切りたい。冷静にいけた」と誇った。
「例年この時期に一番良い状態になることがあまりないけど、近づいてきてはいるんじゃないかな」。本塁打はリーグトップに2本差に迫り、OPS(出塁率+長打率)もリーグ2位の・984と上り調子。大好きなマイアミの空気を思いっきり吸い込み、大谷は球場を後にした。(奥田秀樹通信員)
▽大谷とローンデポ・パーク 23年WBCでは2試合プレー。準決勝・メキシコ戦は1点を追う9回先頭で右中間二塁打で出塁して味方を鼓舞し、村上の逆転サヨナラの2点二塁打を呼んだ。決勝・米国戦は3—2の9回に守護神としてマウンドへ向かい、最後はトラウトを空振り三振に斬って3大会14年ぶりの世界一奪還に導いた。昨年9月19日のマーリンズ3連戦最終日には3打席連発を含む6安打10打点、2盗塁で、迫っていた「50—50」を一気に達成し、数字を「51—51」に伸ばした。メジャー公式戦では通算6試合で27打数10安打の打率.370、5本塁打、16打点、6盗塁で、OPS1.433はメジャー全球場で最も高い。